2014年10月10日

FGT導入調査着手 因美・智頭線と伯備線で

 鳥取県は、車両の幅を変更することで新幹線への乗り入れが可能になる「フリーゲージトレイン」(軌間可変電車、FGT)の導入調査に着手する。対象は因美・智頭線と伯備線の2ルート。岡山・島根両県と連携して調査を進め、線形改良や電化を検討した上で経費や時間短縮効果を算出する。来年8月には結果を取りまとめ、国要望につなげる。

 具体的には(1)京阪神から智頭・因美・山陰線を経由し米子に至るルート(2)山陽方面から伯備線を経由し出雲市に至るルート-でのFGT導入の可能性を検討する。

 両ルートでFGTが導入されれば山陽新幹線への乗り入れが可能になり、京阪神や東京への時間短縮が期待される。

 ただ(1)は電化が必要な上、津ノ井-智頭間に半径400メートルの急カーブが25カ所(2)も江尾-備中高梁間に160カ所あるため、FGTの導入だけでは高速化は難しい。

 また、県内自治体からはフル規格の「山陰新幹線」整備を求める声もあるほか、両ルートで“綱引き”が起こる可能性もあり、今後の意見集約は難航も予想される。

 県によると、FGTは鉄道建設・運輸施設整備支援機構が技術開発を進めており、九州新幹線長崎ルートでの導入を検討中。新幹線区間では最高時速270キロ、在来線で同130キロでの安定走行が可能だが、半径400メートル未満の曲線部は時速65~70キロ程度に落ちる。

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