トマトケチャップなどの生産で知られる食品メーカー「カゴメ」発祥の地である愛知県東海市が、同社と連携してトマトを市民の健康作りに生かそうと取り組んでいる。給食にトマト料理を加え、トマトジュースでの乾杯を推奨し、全国初の「トマトで健康づくり条例」も作った。

 カゴメ(本社・名古屋市中区)は旧荒尾村(現在の東海市荒尾町)の農家だった蟹江一太郎氏が創業した。きっかけは1899(明治32)年に、地元の畑でトマトの発芽に成功したことだった。現在でも市内では工場が操業しており、蟹江氏は同市の名誉市民になっている。

 こうした縁で、同市とカゴメは今年4月、街づくりにトマトを活用することなどを盛り込んだ協定を結んだ。市内全ての市立小、中学校などで毎月10日の給食にトマト料理を提供するようになった。