山本奈朱香、編集委員・稲垣康介
2014年10月10日12時51分
1964年の東京五輪開会式から10日で半世紀が過ぎた。マラソンの円谷(つぶらや)幸吉さんは日本の期待を一身に背負って走り、その3年3カ月後に自ら命を絶った。円谷さんをゴール直前で抜いて銀メダルを取った英国人選手が9日、円谷さんの故郷を初めて訪れた。
薄暗い照明の中、バジル・ヒートリーさん(80)が建物の中に入る。円谷さんの大きな写真パネルの前で、兄の喜久造さん(82)が出迎えた。ヒートリーさんから慈しむように抱きしめられた喜久造さんは、「今日は私の宝物になります」と涙をぬぐった。
福島県須賀川市の「円谷幸吉メモリアルホール」。18日の再オープンに向けて改修中の館内には、円谷さんが東京五輪で使用したシューズやユニホーム、銅メダルが並ぶ。「ずっと会いたかった」というヒートリーさんと喜久造さんは、ここで初対面を果たした。
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