Web Original
FC東京での今季初先発は第17節だったが、その後は完全にスタメンに定着した羽生直剛。代表に4人を送り込むFC東京でも、攻守にチームの中心的な役割を担っている。
photograph by J.LEAGUE.PHOTOS
Jをめぐる冒険

J1通算300出場のFC東京・羽生直剛。
全ての監督が愛した“目立たなさ”。

飯尾篤史 = 文

text by Atsushi Iio

photograph by J.LEAGUE.PHOTOS

 鳥肌の立つようなスルーパスを通すわけでも、ドリブルで2人、3人と抜き去るわけでも、目の覚めるようなシュートを突き刺すわけでもない。つまり、決して目立つ存在ではない。しかし、目立たないというのは、彼にとって最大の賛辞かもしれない。

 かつては爆発的なランニングと神出鬼没なポジショニングで相手チームをきりきり舞いさせたが、今のスタイルは、むしろその逆。無駄なプレーは限りなく省かれ、味方にとって、いてほしい所に当たり前のようにいる。

 あまりにさり気ないから目立ちはしないが、当たり前のことを当たり前にこなすことの難しさを誰もが知っているから、チームメイトは「ニュウさんがいるから、攻守においてチームがスムーズに機能する」と賛辞を贈る。

 10月5日に行なわれた27節のベガルタ仙台戦、先発したFC東京の羽生直剛が34歳にしてJ1リーグ通算300試合出場を達成した。300試合出場は22年目の歴史において通算73人目。大卒選手に限れば16人目となる。

「2~3年思い出作りをしたら、教員になればいい」

 身長167cm(実際にはもう少し小柄に見える)、体重63kg。体格には決して恵まれていない。そのため、13年前筑波大からジェフ市原への加入が決まった際、周囲から「2~3年思い出作りをしたら、教員になればいい」と言って送り出されている。そんな選手が努力を重ねて300試合に到達したのだから、その偉業は輝きを増す。

 オシムチルドレンという印象が強いが、最初にその才能を見出したのは、'02年に市原を率いたベングロシュだ。'90年イタリアW杯で母国を率いてベスト8に進出したチェコスロバキア(当時)の名伯楽は、この大卒ルーキーをトップ下に指名した。

「どんな練習からでも『上手くなりたい』という意欲が伝わってくる。彼が10代の頃から指導したかった」

 ベングロシュは抜擢の理由をそう明かしている。

 もっとも、羽生はその期待に応えたとは言いがたく、「インターネットの掲示板に“J1最低のトップ下”って書き込まれていたのを見て落ち込んだ」と苦笑する。

【次ページ】 オシムと出会い、羽生のサッカー人生が動き出す。

関連アスリート・チーム

このエントリーをはてなブックマークに追加
  • deliciousに追加
Jリーグ トップへ ナンバーウェブトップへ

Jをめぐる冒険 バックナンバー

ランニング特集 『Number Do』 第2号発売中! 見つけよう私の健康ノウハウ「カラダStylen for MEN」
言わせろ!ナンバー最新の投稿
プロ野球、タイトル獲得のための敬遠はあり? なし?
なし

誰のために試合をやってるのか、考えた方がいい。 観せたいものが提供できているか考えてほしい。すべて読む

allrightnowさん
2014/10/10 12:01
に投稿
アギーレジャパンのセンターフォワード、誰が適任?
その他

興梠慎三(浦和)かなぁ… これは、とても悩ましい問題。 実績最上位が岡崎なのは疑いようもないけど、彼の1トップでは、高さ  …すべて読む

ジョーンジェットさん
2014/10/10 11:31
に投稿
言わせろ!ナンバーについてお題をもっと見る
  • 岡田彰布氏、メルマガ絶賛配信中!
最新号表紙
862
10月2日発売
内田篤人と本田圭佑に問う。
~日本代表の理想と現実~
  • D750 ニコンダイレクト限定キャンペーン