《「婦女子」に掛けた語》アニメーションや漫画、特にやおい(ボーイズラブ)系の作品への嗜好が強い女性を指す隠語。当人たちが「世間受けしない趣味を持つ腐った女子」と自虐的に用いたことからという。 --goo辞書(『デジタル大辞泉』)より引用
ボーイズラブ(以降、BL)の勢いが大変なことになっています。
女性向けの同人誌販売イベントは全国各地で行われ、最大級となるSUPER COMIC CITYは、2日間で来場者が10万人を超えます。専門Webサイトや雑誌も増加中で、新創刊はかなり高い割合でBL専門という百花繚乱状態です。「腐女子」と言う言葉は辞書にも載り、最早日本社会にも定着してます。
しかし、世のほとんどの男性は、本気スイッチの入った腐女子と話をする機会も少ないでしょう。「世間受けしない趣味を持つ」ことを自覚した彼女達は、リアルな場、中でも男性の前ではなかなかカミングアウトしません。人によっては、結婚相手にすら生涯隠し通す強者もいるとか。ましてや、腐女子がどういうプロセスで生まれていくのか、その過程は謎に包まれています。
腐女子が開花する過程を「腐化」とでも申しましょうか。
「十分に育った腐女子」という言葉あるかどうか判りませんが、大抵の男性は腐女子がどういう過程を経てノーマルからクラスチェンジしていくか知り得ません。
それも当然で、これは女子更衣室や給湯室の会話を盗み見でもしなければ、到達できないものです。『咲くは江戸にもその素質』は、主人公で、普通にかわいい3人の江戸っ娘(さく、ふみ、かめ)が、徐々にBL(当時の言葉で「衆道」)に目覚める所からはじまり、腐女子として花開いていく過程を、かわいらしい絵柄でハードに描きます。
『咲くは江戸にもその素質』第1話
3人娘が素材とする物語は『南総里見八犬伝』です。「現八」「信乃」「小文吾」「毛野」と、八犬伝の登場人物達を通して妄想を膨らませ、やがて彼らを「対象」として認識し始める少女たち。各キャラのカップリングや、どちらが「上」でどちらが「下」か(ウケセメですな)など、あらゆる方向から「萌え」を検証していく少女たちの行為は、BLに目覚めていく過程をかわいらしく、克明に描いています。優しいタッチもあってか、男性にもとても読みやすい作品となっています。
ただ、時折見せる、少女らしからぬ、女性の業を感じさせる表情には、なかなかの凄味があります。同い年の男の子たちが急に子供に見えてしまう瞬間や、男の子同士のいつもの喧嘩を、BL妄想へと脳内変換してしまうなど、どんどん本格化(悪化?汚染?w)していきます。
『咲くは江戸にもその素質』第6話
comico連載らしいところとして、私がお気に入りなのは、各吹き出しの色が、登場人物の江戸っ娘たちの着物の色に合わせて、色付けされているところです。これは、作家さん良く考えたな~と思います。また、各話ごとに入っている読者コメントが楽しいのですが、秀逸なのが第9話の人気トップコメントです。
男性の皆さん、気を付けてください。腐女子は大体こんな目であなた達を見ています。(※ただしイケメンに限る)
いったい、どんな目で腐女子が男性を見ているのか?というお話なのですが、そこは作品を是非。勿論(※:ただしイケメンに限る)のお約束は間違いないので、ほとんどの男性に、ただちに危険は及びません。
comicoの作品たち
comicoは2013年10月からサービスを開始しました。無料で、スマホに特化した縦読みのカラーマンガを提供しています。スマホアプリ、Webの2通りでの閲覧に対応し、アプリダウンロード数は、現時点で500万を超えています。
最近では、ももクロのCMで話題になりました。マンガボックス同様、雑誌型の週刊連載形式で作品をアップしていますが、マンガ出版社と組むことはなく、運営会社であるNHNPlayArt社、独自の編集部がコンテンツを提供しています。現在は「公式作品」と呼ぶ作品が、40作品以上、ほぼ週刊で連載しています。
2014年8月、初の紙単行本となる『ReLIFE』を発売しました。
27歳無職の海崎新太は、就職も決まらず、仕送りも止められ、どん底状態になります。そんな時、なんだかチャラい研究員、夜明(よあけ)に「実験の為に、1年間、高校生になって高校に行っていただきたいんです。」とオファーされます。なし崩し的に高校生活を始めた新太は、いったいなんの実験体となっていくのか。。。
comico連載陣中で、一番人気の看板商品である同作は、単行本化されても人気が継続、第1巻は発売1週間で重版が決定。現在までの単行本累計販売冊数は16万部を超えています。アプリが多くダウンロードされているとはいえ、書店に紙の雑誌を販売していないゼロからのスタートで、10万部超え&重版を達成したということは、快挙と言えると思います。
私が、サービス開始当初から好きで読んでいたのが『ネト充のススメ』です。
もともと仕事は出来るのに、色々あってニートになった盛岡森子が、居場所を求めてオンライン(MMO)RPGの世界でヴャーチャルな人間関係を作っていきます。これが森子の身近なリアルと絶妙に絡み、物語は複雑な人間模様となっていきます。
MMORPGをやったことあるなら判りますが、旅立ってしまったんじゃ仕方ありません。
私も10年ほど前『ラグナロクオンライン』というゲームに、1年半ほど住みついていました。
MMO史上伝説となった「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」事件や、リアルで若くして突然亡くなってしまった仲間の為に、100人以上が集まっての、弔い守城/攻城戦をするなど、色んなことがありました。特に有名な話でなくとも、ギルド内で色んな人間模様があったこと、痛いほど覚えています。恋愛がこじれるのも日常茶飯事でした。正に、そんな感じです。
そんな記憶を辿ると、「ギルメン / ギルチャ」「ソロプレイ」「効率」など、判る人には判る世界観を上手く取り入れた堪らない作品です。なんというかあの、無駄に気を使ってしまう感じや、ずっと相手がネカマなのかどうか勘ぐり続けるあの感じとか、本当に良く判ってらっしゃると思います。
最後の一つはこちら。
作家の神宮ハヤトさんは、現役書店員さんで、トキワ荘PJで主催するMANZEMI講座の受講生でもあります。comicoでは数少ないスポーツものを、きちんと描かれています。
神宮さんは、ご本人のみならず、8歳のお嬢様も漫画家志望です。マンガ背景の作画を夏休みの課題(?)として実技指導するなど、公私にマンガ漬けの、人も羨むマンガ家族さまです。リンク先のブログにある、8歳のお嬢様が描いた背景作画は、ちょっと凄い出来です。
『Dream Team』はcomicoの「ベストチャレンジ作品」です。
comicoの場合、編集部が最初に一定の評価をした作品が「ベストチャレンジ作品」として掲載され、一定期間の間に、読み手から高い評価を受けた作品は「公式作品」として、連載されるようになります。是非、神宮さんの作品に「おススメ」をつけての応援、よろしくお願いします!
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