[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第101回】“当世ポタアン事情” <前編> ポタアンって何? 基礎知識を総まとめ
高橋敦
2014年10月10日
■「ポタアン」にまつわる最新情報を2週にわたって徹底解説
数年前なら、いきなり「ポタアン」とか言われても意味不明な方も少なからずいらっしゃったと思う。しかし、現在においてこの記事を目にしてくれているような方ならば、それが「ポータブルヘッドホンアンプ」の略であることも、それが何であるかも、普通に知っていることと思う。それほどまでに(イヤホン&ヘッドホンファンの間では)一般化したポタアン。ならばここらでそのポイントをまとめておこう。
■まずは基本から!…ポタアンとは?
…とはいえまずは念のため、基本を確認しておこう。ポタアンことポータブルヘッドホンアンプはもちろん、「ポータブル」な「ヘッドホンアンプ」のことだ。
「ポータブル」…つまり携帯性の定義としてはまず単純に、現実的に持ち運べるサイズや重さであることだ。このあたりの許容範囲は人それぞれ。例えば普段使いのカバンの収納容量とかポケットの数とかによっても変わるだろう。
そしてもうひとつは電源の問題。充電式バッテリー内蔵もしくは乾電池駆動で外部電源を必要としないタイプが主流だ。他には、スマートフォンに接続してスマートフォンから電源供給を受けて駆動するタイプもある。いずれにせよ「コンセントにケーブルを挿さないと使えないものはポタアンではない」という理解でよいと思う。
もっと根本的に「ヘッドホンアンプ」とは何かというと、その第一の役割は「音声信号を増幅してイヤホンやヘッドホンを駆動するだけの力を与える回路」だ。その回路はポータブルプレーヤーやスマートフォンにも当然普通に内蔵されてはいる。しかしそれを外部単体機器とすることでクオリティを向上させたものがポータブル「ヘッドホンアンプ」だと理解してほしい。つまりその効果、それを使う目的は「音質向上」だ。
イヤホン&ヘッドホン再生の動力源であるアンプのパワーと正確さを共に増すことで、イヤホンやヘッドホンがより力強く正確に駆動され、その潜在能力がさらに引き出される。そのようにイメージしてもらえればよいと思う。スマートフォンのヘッドホン出力端子に直接つなげて聴いていたらハイエンドイヤホンの実力の七割しか引き出せていなかったところ、それなりのクラスのポタアンを間に入れたら九割を出せた!みたいな感じだ。
もうひとつ、現在のヘッドホンアンプ製品の多くはUSB-DACの機能も一体化し、兼ね備えている場合が多い。多くはPCとのUSB接続用だが、スマートフォンともデジタル接続できる製品も増えてきている。
ポタアンの接続場所はスマートフォン等の再生機器とイヤホン&ヘッドホンの間だ。接続方法はアナログの場合、再生機器のヘッドホン出力からポタアンのアナログ入力へ、そしてポタアンのヘッドホン出力からイヤホン&ヘッドホンへ。
この場合は再生機器のヘッドホンアンプ回路とポタアンのヘッドホンアンプ回路が二重になってしまい、そこに無駄というかロスがあることは否めない。とはいえ、それでも音質向上効果は得られる。
しかしデジタル接続の場合、スマートフォン等の内蔵ヘッドホンアンプ回路だけではなく内蔵DAC(デジタルの音楽データをアナログの音声信号に変換する回路)もすっとばし、音声のデジタルデータはほぼダイレクトにポタアンへ送り出される。すると以降の処理はポタアン側の、よりクオリティの高い回路で行えるので、より効率よく効果的な高音質化を望めるわけだ。これも現在のポタアンのポイントのひとつ。
さて、「ポータブルヘッドホンアンプとは?」の基本の確認はこれでよいとして、次ページからは現在のポタアンの製品のタイプや注目ポイントを見ていこう。
数年前なら、いきなり「ポタアン」とか言われても意味不明な方も少なからずいらっしゃったと思う。しかし、現在においてこの記事を目にしてくれているような方ならば、それが「ポータブルヘッドホンアンプ」の略であることも、それが何であるかも、普通に知っていることと思う。それほどまでに(イヤホン&ヘッドホンファンの間では)一般化したポタアン。ならばここらでそのポイントをまとめておこう。
■まずは基本から!…ポタアンとは?
…とはいえまずは念のため、基本を確認しておこう。ポタアンことポータブルヘッドホンアンプはもちろん、「ポータブル」な「ヘッドホンアンプ」のことだ。
「ポータブル」…つまり携帯性の定義としてはまず単純に、現実的に持ち運べるサイズや重さであることだ。このあたりの許容範囲は人それぞれ。例えば普段使いのカバンの収納容量とかポケットの数とかによっても変わるだろう。
そしてもうひとつは電源の問題。充電式バッテリー内蔵もしくは乾電池駆動で外部電源を必要としないタイプが主流だ。他には、スマートフォンに接続してスマートフォンから電源供給を受けて駆動するタイプもある。いずれにせよ「コンセントにケーブルを挿さないと使えないものはポタアンではない」という理解でよいと思う。
もっと根本的に「ヘッドホンアンプ」とは何かというと、その第一の役割は「音声信号を増幅してイヤホンやヘッドホンを駆動するだけの力を与える回路」だ。その回路はポータブルプレーヤーやスマートフォンにも当然普通に内蔵されてはいる。しかしそれを外部単体機器とすることでクオリティを向上させたものがポータブル「ヘッドホンアンプ」だと理解してほしい。つまりその効果、それを使う目的は「音質向上」だ。
イヤホン&ヘッドホン再生の動力源であるアンプのパワーと正確さを共に増すことで、イヤホンやヘッドホンがより力強く正確に駆動され、その潜在能力がさらに引き出される。そのようにイメージしてもらえればよいと思う。スマートフォンのヘッドホン出力端子に直接つなげて聴いていたらハイエンドイヤホンの実力の七割しか引き出せていなかったところ、それなりのクラスのポタアンを間に入れたら九割を出せた!みたいな感じだ。
もうひとつ、現在のヘッドホンアンプ製品の多くはUSB-DACの機能も一体化し、兼ね備えている場合が多い。多くはPCとのUSB接続用だが、スマートフォンともデジタル接続できる製品も増えてきている。
ポタアンの接続場所はスマートフォン等の再生機器とイヤホン&ヘッドホンの間だ。接続方法はアナログの場合、再生機器のヘッドホン出力からポタアンのアナログ入力へ、そしてポタアンのヘッドホン出力からイヤホン&ヘッドホンへ。
この場合は再生機器のヘッドホンアンプ回路とポタアンのヘッドホンアンプ回路が二重になってしまい、そこに無駄というかロスがあることは否めない。とはいえ、それでも音質向上効果は得られる。
しかしデジタル接続の場合、スマートフォン等の内蔵ヘッドホンアンプ回路だけではなく内蔵DAC(デジタルの音楽データをアナログの音声信号に変換する回路)もすっとばし、音声のデジタルデータはほぼダイレクトにポタアンへ送り出される。すると以降の処理はポタアン側の、よりクオリティの高い回路で行えるので、より効率よく効果的な高音質化を望めるわけだ。これも現在のポタアンのポイントのひとつ。
さて、「ポータブルヘッドホンアンプとは?」の基本の確認はこれでよいとして、次ページからは現在のポタアンの製品のタイプや注目ポイントを見ていこう。
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