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豊スタ修繕費に109億円 19年間、業者見積もり

多額の修繕費がかかることが見込まれる豊田スタジアム=豊田市で

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 豊田市が建設費三百五十億円を投じて整備した豊田スタジアム(千石町)の修繕費が今後十九年間で約百九億円に上ると施工業者が見積もっていたことが分かった。岡田耕一市議(とよた市民の会)の情報公開請求で市が開示した資料で明らかになった。

 見積もりは二〇一二年度、市が今後の修繕計画を策定するために業者委託していた。対象期間は一四年度〜三二年度。市によると、豊スタが完成した〇一年から三十年経過するまでを見通す狙いで、この期間の修繕費を見積もった。

 開示された資料によると、豊スタの維持に必要な十九年間の修繕費の総額は百八億九千百万円。このうち最も高額なのが豊スタの特徴である開閉式屋根の修繕費で、全体の54%を占める五十八億九千二百万円に上る。特殊な設備なため、部品の交換などに多額の費用を要するという。

 岡田市議はこれまで見積もりの公開を求めてきたが、市は「概算段階の数字であり市の修繕計画策定に支障が出る」として拒否。昨年十月に岡田市議が情報公開請求した際にも金額部分が黒塗りで開示され、市情報公開・個人情報保護審査会に異議申し立てをしていた。審査会はこれを認め、市は今月六日付で開示した。

 岡田市議は「建設費に照らせば百九億円という数字は妥当」とみる一方、「公費で業者委託した結果を市民に公表しない姿勢に問題がある」と話している。見積もりが一二年度当時のもので、最近の全国的な工事費高騰は反映されておらず、さらに修繕費が膨らむ可能性も指摘している。

 市はこの見積もりを基に修繕計画を本年度中にまとめる。ただ十九年間ではなく、現実的に見通せる期間として五年間の修繕費を示す意向だ。

 修繕費をめぐっては〇六年度に、五十年間で三百五十四億円の修繕費がかかるとの見積もりを施工業者が出していたことも明らかになっている。

(河北彬光)

 <豊田スタジアム>4万5000席を備え、球技専用競技場としては国内2番目の規模。豊田市が2001年6月に完成、同7月にオープンさせた。高さ96メートルの柱4本で屋根をつり下げる独特の構造は、建築家の故黒川紀章さんのデザイン。市は02年のサッカー日韓ワールドカップ(W杯)の誘致を目指したが落選、現在は19年のラグビーW杯の誘致を目指している。

 

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