文章だと書き辛い技
フィクションの世界では、一子相伝の怪しげな武術や拳法などが登場します。そこに登場する技は……殺し合いに特化したものという設定になっている作品がほとんどですね。ああいった怪しげな技に憧れ、格闘技の門を叩いた人間は決して少なくないと思います。
ちなみに、私が格闘技に初めて触れたのはプロレスを観ていた時ですが、プロレス以上に格闘技というものを強く意識させた作品があります。それが『必殺仕置人』という時代劇でした。この時代劇には、念仏の鉄という山崎努さん演じるキャラが登場しますが……まあ素晴らしいです。昨今のラノベのキャラと比較しても、全くひけを取らない存在感がありますね。私などは、中村主水よりはこちらの方が遥かに好きです。
この鉄というキャラ、実は関節技の使い手でして、相手の腕や足の関節を簡単に外せます。さらに、殺す時には首をへし折ったり背骨を外したりなどして殺します。はっきり言って、物凄く怪しい技ですが……。
当時小学生だった私は、再放送をドキドキしながら観てました。同級生は当然のように、誰も見てなかったのですが……私は放送を観ながら、一人で関節技の研究をしてましたね。
それが今になって、人間相手に関節技をかけ合うことになろうとは……意外なものですね。ただ、私はどこかで関節技をかけ合う環境を求めていたのかもしれません。ボクシングのジムや空手の道場などは、近所にも結構ありましたし。なのに、総合格闘技のジムを通りかかったとたんに何かを感じる……これはやはり、小さい頃に観た鉄というキャラの影響なのでしょうね。私が打撃よりも寝技が得意なのも、そのあたりも理由の一つなのかもしれませんね。
関節技は基本的に、相手の関節を破壊する技です。その威力は凄まじいものがあります。関節技というと、プロレスなどで見るような攻防を思い浮かべる方もいるかもしれません。例えば、腕ひしぎ十字固めをかけられて苦悶の表情を浮かべながらもロープに逃げる……これは嘘です。がっちり極まった腕ひしぎ十字固めは、一瞬で肘関節を破壊できます。まあ、ポイントを外してかかりくくするテクニックなどはありますが……まず、がっちり極まった関節技は抵抗する間もなく相手を破壊できます。
さらに、関節技はどんな体格差があろうともかかります。極端な例ですが、前にも登場された早田さんという方は七十キロない方ですが、八十五キロの私を関節技でギブアップさせることができます。さらに、百二十キロを超える外国人の方をギブアップさせたことも……「向こうが本気で潰しにきたから、やってやった」などとワケわからんことを言ってましたが。それはともかく、関節技は打撃と違い、体格差があっても極められます。これは素晴らしい点ですね。
さらに、関節技の使い手はユニークな方が多いですね……何と言うか、独特のスタイルを持っている方が多い気がします。ジムに来ている原口さん(仮名です)という方は足への関節技が得意で、プロ顔負けの強さです。特に変形のアンクルホールドの切れ味は素晴らしく、私も足首を壊されそうになったことがあります。
この原口さんの凄い点は、得意のアンクルホールドをかけるまでのパターンが非常に多く、バラエティーに富んでいることですね。下手をすると、バックチョーク(背後から腕で首を絞める技です)をこちらにかけさせて、そこから足を取り関節を壊すという戦法まで……どんな体勢からでもアンクルホールドを狙えるパターンを作り上げているのです。これは、創作にも応用できるのではないでしょうか。得意な話、ジャンル、展開、シーンなどなど……それを知り、そこにいくまでのパターンを数多く用意しておく……などと底辺作家の私が言ったところてあまり説得力はありませんが。
さて、こんなに強力な関節技ですが、ラノベに登場する機会は……ないのではないでしょうか。理由は……私もいろいろ書いていて思うのですが、関節技を文章で表現するのは非常に難しいです。打撃の攻防を書いた方が楽ですし。仕方ないので、この先はV6の岡田や須藤元気さんあたりの、知名度のある使い手の方が関節技の魅力を映画やドラマなどの映像作品で世間に広めてくれることに期待します。
前に予告していた6月29日の格闘技の試合(DーNETグラップリングトーナメント)ですが、私用により出場できなくなりました……優勝を狙う、などと言っていたのに、お恥ずかしい話ですが、いずれまた機会があれば出場します。あと廃材さんの『筋トレをしよう』(N5572CD) というエッセイには、筋トレのやり方が細かく載っています。よろしければ、こちらも是非。
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