支援の手が届かない「エイズ孤児」
いま、世界には1780万人ものエイズ孤児がいることを知っているだろうか。
HIV感染者ではなく、親をエイズで亡くした子どもたちの数だ。さらに、エイズ孤児のうち約85%は、アフリカ・サハラ以南に集中している。背景には、エイズに関する基礎知識の不足があり、それによって教育機会が失われることも珍しくない。
今回、このような問題に取り組む、エイズ孤児支援NGO PLAS(プラス)代表・門田瑠衣子氏に話を聞いた。同団体ではケニアとウガンダにおいて啓発活動や教育支援をおこなっている。
門田氏の「エイズ孤児」との出会いは2005年にさかのぼる。当時、大学院生だった門田氏は、ケニアで孤児院を訪問し、大きいダブルベッドに寝かされた10人以上の赤ちゃんを目にした。親がエイズで亡くなっているか、エイズが発症して子育てができないという状況であり、この光景にショックを受けたという。
「現地ではHIV感染者は多いですが、実際、そういう人にほとんど出会うことがありませんでした。なぜなら、たとえ感染していても、(差別などの要因もあり)隠していて出てくることができないからです。でも、孤児院に行ってみると、そこにはたしかにエイズが引き起こす問題がありました」(門田氏)
その経験から2005年にプラスを設立。当時もいまにも珍しく、「エイズ孤児支援」を掲げて活動してきた。門田氏は「どうしてもエイズ支援というと、陽性者や予防対策など大人に対する支援が優先され、そこにお金や人が集まっていました。一方で、残された子どもたちには支援の手がほとんど届いていなかったため、活動する必要性を感じました」と団体の課題意識を振り返る。
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