アニメも好評だったログ・ホライズン。TRPGルールブックがついに発売されました。
1500円なのにページ数は543ページとお買い得な一冊です。

ログ・ホライズンTRPGルールブック ~キミも〈冒険者〉になれる!~

概要

ログホラ世界の住人になれる! !
「12の職業」「8つの種族」[無数のサブ職業」で自分だけの<冒険者>を作り、集い、力を合わせて戦おう!

原作者・橙乃ままれみずから、製作総指揮したTRPGが誕生。 「ヘイトシステム」や、「ユニオンシステム」といった独特のギミックを搭載し、 原作同様に自分だけの冒険者を作り、集い、力を合わせて敵を倒して遊べるファン必携のアイテム!



公式サイト
http://mamare.net/special/logtrpg_s/

ざっくりと言えば、ソード・ワールドやFEARゲーをベースに独自要素を加えてログ・ホライズンっぽくした内容でした。
ミドルフェイズはシーン制、戦場はスクウェア、ラウンド進行はセットアップ・イニシアティブ・メイン・クリンアップで進む、ヒーローポイント(因果力)がある、で大体のイメージは掴めると思います。

世界観は詳しく紹介されているので、原作を知らない人でも遊べそうです。
イラストは少ない。小説やアニメ、漫画で補完しよう。

以下、 詳しい内容と感想。

1.キャラクター作成

PCは<冒険者>です。古来種や大地人は不可。
職種は原作同様に12クラス用意されています。基本ルールブックだけで全ての職種が遊べるのは嬉しいところ。
種族数は8。善の8種族です。

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http://mamare.net/topics/3094/

BOT種(MMORPGのBOTが魂みたいなものを手に入れたキャラクター)をやりたいので、サプリメントでの追加を期待したい。
サブ職業はフレーバーに近いですね。多少、特技に関係もしますが。

特技やアイテムのデータも大量にあるのが嬉しい。特技だけで100ページ以上ある。
マジックアイテムというオリジナルアイテム作成ルールもあります。

サンプルキャラクターも多数ありますが……
s140412_03
http://mamare.net/topics/4320/ 

特技のデータがキャラクターシートに載っていない。特技データを参照する必要があるので不便です。

PC作成で面白いのは、レベルはフレーバーだということ。レベル1でもレベル90でも好きに設定できます。
レベルの代わりに強さの指標として用意されているのが、 キャラクターランク。異世界への適応度や戦闘の習熟度を表しています。
ログ・ホライズンのPCは全員異世界に来てしまった地球人なので、この指標は面白い。

EXパワーという神業的なものがあるのですが詳細不明。サプリメントで追加される要素かな。

追記 に書かれている冒険窓口でキャラクターシートを作成できます。これでキャラ作成が簡単になりました。

2.ミドルフェイズ

道中での消耗を手っ取り早く決定する消耗表は円滑なセッション進行の手助けになりそうです。
ss_Consumption
http://mamare.net/topics/4297/

物品や金銭の表もあるのが面白いですね。特殊アイテム入手の値切り交渉などにも使えそう。
道中、PCのリソースが失われるだけだとPLのストレスが溜まるので、GMをやる時はPCのリソースを増やすイベントも用意しておきたい。

気になったのはヒーローポイント(因果力)入手のタイミングが一律的に決まっていること。
ヒーローポイントは、ダブルクロスのタイタスやグランクレストの天運のように、もっとドラマチックな入手方法にして欲しかったです。

3.戦闘

今までのTRPGに足りなかったのは憎しみだ!ヘイトはいいぞぉ!

ほとんどのTRPGで、エネミーが狙うPCはGMの裁量次第でしたが、ログ・ホライズンTRPGではMMORPGっぽく、特技使用などによってヘイトが高くなったキャラクターを狙うように設計されています。

盾役が、 
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http://mamare.net/topics/4199/ 

のような特技を使ってヘイトを上げ、味方を守ったり、魔法攻撃職が不用意に大技を使ってエネミーにボコボコにされたりと楽しめます。
ヘイトが一番高いPCは被ダメージが上昇し、その他のPCは回避判定に+の修正がつくので、GMは自然とヘイトが一番高いPCを狙うようになります。
特技を使用して行動順やヘイト値をコントロールする、タクティカルな戦闘が楽しめそうです。
NPCを護衛するシナリオでは、戦闘時はNPCが一番ヘイトが高い状態でスタートさせたりと、色んなギミックが使えそう。

戦闘バランスはFEARゲーよりはソード・ワールドに近そう。残機制ではありません。

原作のレイドに関するルールはありません。まぁ、TRPGでフルレイド(24人戦闘)のGMするのを想像したら死ねますが。

戦闘で擬人化ルールがなかったのは少し残念。
ログ・ホライズンTRPGで遊ぶなら、戦闘だけじゃなく「円卓会議」結成の会議みたいなものを再現したかったので、独自ルールで補完するしかないかな。

4.その他

索引がねぇ!1枚サマリーもねぇ!
安いルールブックだから色々と削られるのは仕方ないか……。

エネミーデータが多いのは嬉しい。戦車まであります。お前、デミクァスだろ、というエネミーもいます。
NPCも多いですが、依頼人として使えそうな大地人NPCが少ないのは残念でした。

付属シナリオはGM向けに丁寧な説明がついているのがとてもありがたい。
シナリオ制作の参考になります。


まとめとしては、今までのいわゆるファンタジー世界を舞台にしたTRPGとは違って、MMORPG世界を舞台にしたTRPGという新しいものになっています。
データも最初から大量にある、気合の入った一冊でした。
後は遊ぶだけだ!

ネットの反応

 
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