中国・重慶市に9月中旬、スマートフォンを操作しながら歩く人のための専用歩道が登場した。歩行者が画面に集中するあまり、別の歩行者とぶつかったり、転んだりするリスクを軽減するのが目的だというが、ネットでも話題となり賛否両論を呼んだ。
バスや地下鉄の車内などでずっとスマホの画面に目を落としている人たちのことを、中国では前屈みの姿勢にちなんで「低頭族」と呼ぶ。スマートフォンの画面を見ながら歩く「歩きスマホ」も、低頭族の代表的行為の一つだ。
歩きスマホは注意力が散漫になり、駅のホームからの落下や窃盗被害など、思わぬ災難に巻き込まれる恐れがある。中国でも最近、歩きスマホが原因の事件・事故が頻発し、社会問題化している。
中国初の「歩きスマホ」専用歩道ができたのは、重慶市の観光スポット「洋人街景区」の一角だ。歩道は幅3メートル、長さ50メートル。両隣にはそれぞれ、携帯電話使用禁止のマークが書かれた歩道と、一般車両も走行する車道がある。
「これは洋人街の親切なサービスの表れだ」
スマホ歩道の設置にはこんな肯定的な反応もあるようだ。
だが、そもそも、スマホを見みながら歩く人同士、余計にぶつかる可能性が高まりはしないか。スマホの画面を見ていたら、専用歩道と一般歩道の区別に気づかないのでは−、など少し考えただけでも「?」が浮かぶ。
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