DTI「ServersMan SIM LTE」の中の人にインタビューしました
このたび縁あってMVNO運営会社の方にお会いする機会に恵まれたので、知りたかったことや疑問に思っていたことについて確認してみました。以下、「Servers..
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このたび縁あってMVNO運営会社の方にお会いする機会に恵まれたので、知りたかったことや疑問に思っていたことについて確認してみました。以下、「ServersMan SIM LTE」の話題を中心に、2014年7月23日(水)11:00~12:00に、株式会社ドリーム・トレイン・インターネット(以下、DTIという)本社Moonの間にて行なったインタビューの模様です。
出席者
DTI 取締役COO 植松氏(写真右)DTI 事業企画本部 屋宮氏(写真左)
【Q1】
DTIとフリービット株式会社(以下、FBという)の関係は、「FBがMVNEという立場でDTIのMVNO事業を支援している」
という理解でいいのでしょうか?- MVO(Mobile Network Operator)…モバイル回線網を自社で保有し、モバイル通信サービスを提供する事業者。移動体通信事業者。
- MVNO(Mobile Virtual Network Operator)…モバイル回線網を自社で保有せず、MVOから借り受けて、モバイル通信サービスを提供する事業者。仮想移動体通信事業者。
- MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)…MVNOへの支援サービスを提供する事業者。仮想移動体通信サービス提供事業者。
【A1】
この2社についてはFBがDTIを子会社化したという経緯があります。両社にはそれぞれ企画部門、マーケティング部門、開発部門などがあって業務が重複していました。そこで開発部門をFBに集約化することにしました(DTIからFBへ出向というケースもあります)。マーケティング部門のB2B(企業間取引)についてもFBに集約化しました。ただし、マーケティング部門のB2C(企業と個人間の商取引)については、ISP事業を長年運営しているDTIに集約化しました(B2Cについては必要に応じてDTIがFBにサービスを提供しています)。
【Q2】
「freebit mobile」の運営会社はFBなのでしょうか? DTIなのでしょうか?【A2】
運営会社はDTIです。よってDTIのドコモMVNO事業は「ServersMan SIM LTE」と「freebit mobile」の2チャンネル体制となります。「freebit mobile」は、そのサービス名称からしてもFBにとって思い入れが強いものですが、DTIが過去のISP事業の運営により培ってきた顧客管理やサポート、課金システム等といったB2Cに依存する要素が強いのでDTIに任せることにしました。ただし、DTIが運営していることを前面に押し出してはいません。
【Q3】
FBの有価証券報告書にはネットワークサーバ関連設備等が全てFBの資産として計上されていますが、DTIはそのような資産を保有していないのでしょうか?【A3】
基本的にそのような設備はFBが所有しております。顧客管理系のシステムは、DTI側が保有しております。
【Q4】
なぜ税抜467円という低価格でサービスを提供できるのでしょうか?(税込504円250kbps定額。チャージ税込270円/100MB)DTIの強みであるISP事業者としてのネットワーク運用技術が関係あるのでしょうか?
【A4】
ドコモが通信回線接続料金を段階的に値下げすることを見越して価格設定をしました。会員数が一定数に収まれば赤字にならないよう回線の仕入れを工夫しました。【Q5】
「ヨドバシカメラオリジナル ワイヤレスゲート WiFi+LTE SIMカード」はFBやDTIが関与しているのでしょうか?(税込480円250kbps定額。チャージ税込540円/200MB。2014年9月1日開始)【A5】
FBもDTIも関与していません。9月1日のサービス開始まで様子見している状況です。確かに「ServersMan SIM LTE」より安いですが、現時点では追随して価格競争する考えはありません。【Q6】
auやソフトバンクのMVNOをする予定はあるのでしょうか?【A6】
現在のところ検討していません。ドコモのシェアやサービスエリアを考えると、リソースを集中させた方が得策だと考えています。【Q7】
注意事項において「通信について、その通信時間が一定時間を超えるとき、またはその通信容量が一定容量を超えるときは、その通信を制御することがあります。」とありますが、「一定時間」や「一定容量」はどれぐらいなのでしょうか? 他社のように数値を公表する予定はあるのでしょうか?【A7】
今のところ「一定時間」や「一定容量」を公表する予定はありません。少数のヘビーユーザーが回線を占有することは、サービスの質と価格のバランスを崩すことに直結するので、こまめに調整を行なっています。サービスの継続性を最重要課題の一つとして考えています。【Q8】
最速資産運用の投稿フォーム経由で「DTIの速度制限について触れていないですね。300MB/3日程で受信が出来なくなります(10kbps以下になります)。」
というご意見が寄せられましたが事実なのでしょうか?【A8】
数値については明言できませんが、使いながら調べればわかるように、一定の制御を設定しています。サービスの質と価格のバランスを保つには、ヘビーユーザーに対する規制はやむを得ない措置だと認識しています。今後は制限のポリシーを緩くすることも検討しています。固定回線のISP事業においても、ヘビーユーザーに対する規制を導入したところ、一部のお客様には不評でした。サービスの質と価格のバランスを保ちながら、事業を継続するためには必要なことですので、理解していただきたいと考えています。
【Q9】
「ServersMan Unlimited」で増速した時の速度は、2013年07月22日段階で「最大3Mbps程度」と公表されていますが、現在も変わりないのでしょうか?【A9】
はい、3Mbps程度を目安にしています。当初から3GやLTEの上限速度まで出すことを想定していません。【Q10】
FBはMVNEという立場で、既に音声通話サービスを提供している(「freebit mobile(音声通話)」やU-NEXT「U-mobile スタンダード 音声通話機能付きSIMプラン」等)のに、なぜ「ServersMan SIM LTE」で音声通話サービスを提供しないのでしょうか?今後音声通話サービスを提供する予定はあるのでしょうか?
※「DTI モバイルサービス共通利用規約」の「ServersMan SIM LTE特約」第2条(サービス内容)第2項において、「ServersMan SIM LTEは、音声通話サービスの提供は行いません。」とある。
【A10】
導入時期や価格設定などの具体的事項を含め、現在は検討中の段階です。確定した場合はプレスリリースで告知するのでお待ちください。【Q11】
個人情報の管理保護について、具体的にどのような対策をとっているのでしょうか?【A11】
顧客データだけでなく、データ通信技術のコア部分については、基本的に外注を使わずに、一定のルールに基づき社内で管理(開発)運用しています。【Q12】
他社MVNOのようにプランを増やす考えはないのでしょうか?【A12】
ユーザーが迷わなくて済むように「これ一つを選べばOK」というようなシンプルなプラン構成を心掛けています。バリエーションについてはオプションで対応しています(SMSオプション等)。【Q13】
唐津SIMカードについて教えて下さい。【A13】
FBと唐津市が共同提案した「唐津ブランド戦略支援型防災・減災システム」が、総務省のICT街づくり事業に採択されたことを受け、唐津市民への唐津SIMカード無料配布が決まりました。この事業に直接タッチしていないので詳しいことは分かりませんが、唐津市民よりも唐津市民以外のMVNOユーザーの方が、関心が高かったように感じています。ローコスト通信回線を利用した、在宅医療や在宅福祉などの見守りサービスの提供が主目的に一つです。現在は実験を終了しています。【Q14】
消費税8%への増税の影響はありましたか?節約志向のメリットを受けたと感じていますか?
【A14】
2014年3月に会員数が大幅に増えました。その反動で翌4月は落ち込みましたが、4月中旬に実施した最大250Kbps(従来は最大150Kbps)への増速効果もあり、5月にかけて持ち直しました。ただし、6月に入るとその効果も減っているという状況です。消費税増税による節約志向のインパクトは大きくなかったと判断しています。
【Q15】
会員獲得のためのプロモーション戦略について教えて下さい。【A15】
他社MVNOと異なり、例えば、キャッシュバックや値引き、初期費用無料等のプロモーションを行なっていません。サービスの質と価格のバランスを保つことを優先しています。
【Q16】
DTIやFBの今後について教えて下さい。【A15】
従来までは固定回線のISP事業が柱でしたが、今後はそれに加え、フリービットグループとしてモバイルや生活、医療等の分野にも注力していきます。インタビューを終えて
公開情報や口コミなどを頼りにユーザーはMVNOのプランを選ぶ訳ですが、実際に使ってみると「こんなはずでは」とガッカリするケースが多々あります。当サイトにも「公開情報と実際の使い心地は異なるのではないか」というご意見が寄せられます。ご意見の中には「ServersMan SIM LTE」に関するものも含まれます。そこで自分自身も気になっていた【Q8】のような質問をしてみました。
また、9/1開始の「ヨドバシカメラオリジナル ワイヤレスゲート WiFi+LTE SIMカード」についても凄く気になっていたので、【Q5】のとおり質問してみました。DTIが関与しているのではないかと漠然と考えていましたが、見事に勘違いしていました。
格安SIMカード比較(ドコモMVNO/LTE)の運営を結構長くやっていますが、得られる情報はインターネットで公開されているものがほとんどなので、今回のような機会はとても貴重です。機会があれば、他のMVNO運営会社の中の人にもお話を伺いたいです(連絡をお待ちしております!)。
最後になりましたが、インタビューを快く受けてくださったDTIの植松氏と屋宮氏に、また、このような貴重な場を作っていただいたA氏に感謝いたします。ありがとうございました。
DTI : 格安SIMカード比較(MVNO/LTE)
格安SIMカード比較(ドコモMVNO/LTE)
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