朝日新聞:記事12本明示…慰安婦問題で取り消し

毎日新聞 2014年10月09日 23時51分(最終更新 10月10日 01時39分)

 朝日新聞社は9日、従軍慰安婦問題報道で「戦時中に韓国で慰安婦狩りをした」とする吉田清治氏(故人)を取り上げた記事16本のうち、同社記者が書いた12本の掲載日と見出しを明らかにした。残り4本については3本が外部筆者によるもの、1本は多くが吉田氏に関する著作物の引用だとして「公表を見合わせる判断をした」と回答した。毎日新聞が9月初めに文書で問い合わせていた。

 朝日新聞は8月5日朝刊の慰安婦報道に関する特集紙面で、「吉田氏について確認できただけで16回、記事にした」とした上で「証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」と記した。しかし、1982年9月2日の大阪本社版朝刊社会面を「初掲載」とした以外は、明示してこなかった。

 朝日新聞は9日の回答で「公表方法の検討に長い時間を要したことを、おわびします。対応できる段階に至りました」とした。

 ◇吉田氏取り上げた記事◇

 (1)1982年9月2日朝刊(大阪本社版)「朝鮮の女性 私も連行 暴行加え無理やり」(2)83年10月19日夕刊「韓国の丘に謝罪の碑 『徴用の鬼』いま建立」(3)同11月10日朝刊「ひと 吉田清治さん」(4)同12月24日朝刊「たった一人の謝罪 韓国で『碑』除幕式」(5)86年7月9日朝刊「アジアの戦争犠牲者を追悼 8月15日、タイと大阪で集会」(6)90年6月19日朝刊(大阪本社版)「名簿を私は焼いた 知事の命令で証拠隠滅」(7)91年10月10日朝刊(大阪本社版)「女たちの太平洋戦争 従軍慰安婦」(8)92年1月23日夕刊「窓 論説委員室から 従軍慰安婦」(9)同3月3日夕刊「窓 論説委員室から 歴史のために」(10)同5月24日朝刊「今こそ 自ら謝りたい 連行の証言者、7月訪韓」(11)同8月13日朝刊「元慰安婦に謝罪 ソウルで吉田さん」(12)94年1月25日朝刊「政治動かした調査報道 戦後補償 忘れられた人達に光」

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