インターネットの検索サイト「グーグル」で自分の名前を検索すると、過去に犯罪行為をしたかのように連想させる投稿記事が多数表示され人格権が侵害されているとして、日本人の男性が米グーグルに検索結果を削除するよう求めた仮処分で、東京地裁は9日、検索結果の一部を削除するよう命じる決定をした。
関述之裁判官は「検索結果の一部はプライバシーとして保護されるべきで、人格権を侵害している。検索サイトを管理するグーグルに削除義務がある」と認定した。
男性側弁護士によると、検索結果の削除を命じた司法判断は国内で初めてとみられる。
日本人男性は「名前を検索すると10年以上前の情報が数百件表示され、生活を脅かされた」とし、人格権が侵害されているとして、6月に仮処分を申し立てた。
関裁判官は決定理由で「検索サイトはネットを効率的に利用する上で重要な役割を果たしている」とする一方で「検索結果から『男性は素行が不適切な人物』との印象を与え、実害も受けた」として男性側の請求を認め、約230件中、約120件の削除を命じた。
グーグルは既に、請求対象の一部を削除したという。〔共同〕
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