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【千葉】「心底がっかりした」 浦安液状化 敗訴に住民落胆
東日本大震災による住宅の液状化被害で損害賠償を求めた浦安市民の訴えは八日、東京地裁で退けられた。原告代理人の小杉公一弁護士は「被告の主張に全面的に沿った判決」と批判した。 低層の集合住宅に住む原告副代表の岩田紀章さん(74)は「二年半、十回以上公判にも通ったのに。心底がっかりした」と、肩を落とした。 特に、給水管やガス管などが破裂した共用部分の被害に判決が触れなかった点を批判。震災後四十五日間もトイレを使えず、道を隔てた小学校に移動、仮設トイレの使用を強いられていただけに「裁判所はなぜ触れなかったのか」と納得いかない様子だった。 来年にも底を突くという、住民でつくる管理組合の修繕積立金も頭の痛い問題だ。十年ごとの屋根や壁の塗り替えで、現在は入居時から倍の月約二万円にまで増えている。原告代表の上野智(さとる)さん(74)は今後「積立額を増やすか、銀行に借りる」と話すが、検討はこれからだ。 費用負担はこれだけにとどまらない。市が埋め立て地の住宅街で進めている液状化対策では、地中にセメントなどの壁を格子状に入れて地盤の強度を高める工法が採用される。しかし、この工法だと、個人に百万円から二百万円の費用負担が新たに発生する。工事着手には住民合意が必要で、液状化被害から脱する道はまだ遠い。 (服部利崇) PR情報
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