藤原武容疑者の自宅。女児が監禁されていた1階の白い壁部分の洋間は、窓がなかった=20日、岡山市 (撮影・沢野貴信)【拡大】
藤原容疑者は午前8時40分ごろ、ワゴン車の後部座席中央で警察職員に両脇を囲まれ、岡山地検に入った。短髪に白いTシャツ姿。真っすぐ前を見つめる目はうつろで、顔色は悪く、疲れたような硬い表情だった。途中で銀縁のメガネをかけ、集まった約100人の報道陣とカメラの放列を見つめていた。
捜査関係者によると、藤原容疑者は女児に強い興味を抱いていたとみられる。逮捕された19日夜、捜査員が自宅1階の洋間に踏み込んだ際、一緒にいた女児のことを「自分の妻です」と説明していたことが判明した。
さらに、捜査本部の調べに容疑を認めた上で「少女に興味があった。女児を自分好みに育てたかった。将来は女児と結婚したかった」と動機を語っていることも分かった。
藤原容疑者は昨年、洋間を防音仕様にリフォームしたほか、外から施錠できるように改造。女児をこの部屋に監禁した。14日に女児を車に乗せてからそのまま自宅に連れ込み、逮捕時まで女児を外出させていなかった。
リフォームについて、近所の男性(39)は「1人暮らしで、そんな必要があるのかと不思議に思った」と振り返る。別の近所の男性(78)は「台所でも直しているのかと思ったが、監禁に使われていたとは」と話した。捜査本部は、女児を監禁するための改造だったとの見方を強めている。
また、14日に銀色の車で女児を連れ去ったときの状況について、藤原容疑者が「カッターナイフで『殺すぞ』と脅して、女児を連れ去った」と供述していることも判明した。自宅での監禁中も、食事やお菓子を与える一方、「殺すぞ」など身の危険を感じさせる脅迫的な言い方で、女児を脅していたとみられる。
(紙面から)