蔵王山:活発化、火山性の微動…注意呼びかけ

毎日新聞 2014年10月09日 19時56分(最終更新 10月09日 21時29分)

蔵王にある火口湖「御釜」=2014年9月20日、山中宏之撮影
蔵王にある火口湖「御釜」=2014年9月20日、山中宏之撮影

 仙台管区気象台は9日、宮城、山形両県にまたがる蔵王山(標高1841メートル)で、火山性微動や火口湖「御釜(おかま)」湖面の白濁を観測したと発表した。噴火予報は「平常」に据え置いたが、「火山活動の高まりが見られる。観光や登山で近づく際は注意を」と呼びかけている。

 同気象台によると、9月30日〜10月9日午前、火山性微動を計3回観測した。傾斜計は刈田岳の山頂が約2ミリ高くなったことを示した。8日午後には山形大の調査で御釜の湖面2カ所で白濁が確認された。いずれも約15分で消えたという。

 東北大地震・噴火予知研究観測センターの三浦哲教授(地球物理学)は「山頂付近の隆起と火山性微動が同時に起きたのは珍しく、火山活動が活発化しているのは間違いない。ただ、噴火の危険が高まったと言えるほどの変化ではない。ただちに噴火予報を引き上げる必要はないだろう」と話す。

 湖面の色の変化は1940年の小噴火の際にも見られたが、気象台は白濁と火山活動との因果関係は調査中としている。

 蔵王山では昨年1月以降、計22回の火山性微動が発生している。今年8月には観測史上最多の106回の火山性地震が発生しており、監視が強化されている。【金森崇之、清水健二】

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