河野談話の意見書見送り 山形県議会・自民会派
山形県議会最大会派の自民党は8日、慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話を見直し、新たな政府見解の表明を求める意見書について、同日の9月定例会本会議への提出を見送った。同会派は本会議で、同趣旨の請願を賛成多数で採択したが、意見書可決には慎重論が根強かったという。
請願は市民団体「山形再生会議」(山形市)が提出した。願意を踏まえた意見書を可決し、政府に送るよう求めている。
総務常任委は6日、自民委員の賛成多数で請願を採択した。だが、全会一致でなく、慣例で常任委から意見書上程ができなかった。このため、一部の自民議員が7日、意見書案を議長に出した。
8日の自民会派の総会で、この動きに異論が噴出。政府が日中、日韓首脳会談の実現を模索している状況などを踏まえ、「この時期に意見書を可決するのはどうか」と慎重論が相次いだという。
会派執行部と一部議員が協議し、意見書案は本会議直前に取り下げられた。野川政文会長は「12月定例会に提出する方向で検討する」と語った。
本会議では請願採択に対し、民主系会派の議員ら4人が「県民に何一つ利益はない」と批判し、連立政権を組む公明党の議員も反対に回ったが、議席の過半数を占める自民の賛成多数となった。
2014年10月09日木曜日