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長男監禁 7月ごろ「鎖でつながれている」
10月9日 19時16分

8日に滋賀県長浜市の住宅で小学2年生の男の子が鎖で柱につながれ、両親が監禁などの疑いで逮捕された事件で、ことし7月ごろ、男の子が学校の担当者に「家で鎖でつながれている」などと話していたことが警察への取材で分かりました。
警察は日常的に虐待が行われた疑いがあるとみて調べています。

8日午後4時前、長浜市千草町の住宅で、小学2年生の8歳の長男が腹に鎖を巻きつけられ、南京錠で柱につながれているのを訪ねてきた友だちが窓越しに見つけ、警察は近所にいた父親で無職の宮島保名容疑者(32)と母親の茜容疑者(27)を監禁などの疑いで逮捕しました。
長男に大きなけがはありませんでしたが、長男は鎖でつながれた柱から半径およそ1メートル50センチほどの範囲しか動くことができない状態だったということです。
警察のその後の調べで、長男はことし7月ごろ、学校の担当者に「家で鎖につながれている」などと話していたことが分かりました。
このため学校は虐待を疑い、7月16日に家庭訪問をしましたが、母親が「子どもが勝手に冷蔵庫を開けないよう鎖で巻いた」などと説明し、自宅の中に入って確かめることまではできなかったということです。
警察は日常的に鎖を使った虐待が行われた疑いがあるとみて、詳しいいきさつを調べています。

男児の通う小学校の対応

男の子が通っていた小学校は虐待を疑って警察に相談して以降、教頭や担任が繰り返し電話をかけたり家庭訪問をしたりしていましたが、8日まで虐待を確認することはできませんでした。
滋賀県長浜市の教育委員会によりますと、男の子が通っていた小学校は虐待を疑って警察に相談したことし7月16日以降、夏休みの期間も含めて、教頭や担任が2、3日に1回電話をかけたり家庭訪問をしたりしていたということです。
このうち先月は、男の子が合わせて4日間学校を欠席しましたが、その都度家庭訪問をしたということです。
また事件が明らかになる2日前の今月6日に訪問したとき、男の子は窓から顔を出してしっかりと受け答えをして、衰弱したりふさぎ込んだりしたりした様子は見られなかったということです。
そして事件当日は、母親から「きょうは休みます」という連絡があって男の子が欠席したため、学校が訪問を予定していたということです。
長浜市教育委員会の板山英信理事は「学校は積極的に訪問を行うなど、適切な対応を取っていたが、今回このようなことが起こり大変遺憾に感じています。2度とこのようなことが起きないよう、子どもの安全確保のための方策をさらに徹底していきます」と話しています。

危機意識共有できていたか疑問

児童虐待の問題に詳しい関西学院大学人間福祉学部の才村純教授は「学校が何度も家庭訪問をするなど危機意識を持っていた一方、その意識が関係者の間で共有できていたのか疑問が残る。学校は教育の専門機関だが虐待の対応については法的権限を持っていない。訪問しても拒否されるのであれば、児童相談所が立ち入り調査できるわけですから、今回の場合は児童相談所が積極的に関与すべきだったと思う」と指摘しています。

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