地ビール製造の網走ビール(網走市、高橋康弘社長)は、販路開拓を本格化する。道央圏の市場を掘り起こすため、今月初めに札幌営業所を開設した。下旬には網走市内にある工場の生産ラインに加熱処理装置も導入する。輸送コスト引き下げに加え、常温で保存・流通できるようになることから、海外への輸出も視野に入れ始めた。
札幌営業所は1日、札幌市内に開設した。3人体制で始動し、本社の営業担当者と合わせ5人で道内をカバーする。今後は人口が集中する札幌市内など道央圏の販路開拓が主な役割になる。
19~20日には工場の生産ラインに約1千万円を投じて加熱処理装置を新設。4月1日から加熱処理を施した商品の販売を始める。
常温で保存・流通でき、賞味期限も現在の60~90日から1年ほどに延びる。品質保持のためこれまでチルド(冷蔵)状態で輸送してきたが、大幅なコスト引き下げにつながる。
同社の商品はオホーツク海の流氷を仕込み水に使い、天然色素で鮮やかな青色に仕上げた「流氷ドラフト」などがある。国内コンビニエンスストアチェーンの台湾現地法人や韓国のスーパーからも引き合いがあり、海外への輸出も視野に入れている。加熱処理後も色合いや風味が従来商品に引けを取らないよう工夫したという。
網走ビールは2006年末、民事再生法の適用を申請。07年にカラオケ店運営で道内最大手のタカハシ(網走市、高橋社長)が子会社にした。
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