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09 Oct 2014 14:02

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朝日新聞が誤りを認めても韓国が「従軍慰安婦」問題で妥協しないといえるこれだけの理由

nippon.com 9月16日(火)13時35分配信

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朝日新聞が誤りを認めても韓国が「従軍慰安婦」問題で妥協しないといえるこれだけの理由

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朝日新聞が誤りを認めても韓国が「従軍慰安婦」問題で妥協しないといえるこれだけの理由
【資料】「従軍慰安婦」報道と歴史問題の推移(※nippon.comの記事より一部を抜粋)

朝日新聞は2014年8月5日、これまでの「従軍慰安婦」関連報道の検証結果を公表。済州島の「女性狩り」という32年前の吉田清治証言をはじめ、多くの事実関係の誤りを認めた。これらの朝日報道こそが日韓の間の「従軍慰安婦」問題の元凶となっていた。しかし、それでも、韓国は態度を変えるとは考えられない。韓国側にもそれなりの事情があるからだ。

「嘘――朝日新聞「従軍慰安婦」報道の軌跡」をnippon.comで読む

朝日新聞の検証にもかかわらず変わらぬ事実

最初に確認しておかなければならないことがある。昭和の戦争において、アジア全域で日本と日本軍が関与した「従軍慰安婦」は現実に存在したということである。しかも、戦地においては軍の暴力を背景にして現地の女性を強制的に慰安婦にした例が複数あったことは、まぎれもない事実なのである。この点、ほかの戦争において軍隊が占領地で行った暴行と何も変りはない。

ただそれは、あくまで「戦地」においてである。「従軍慰安婦」システム自体は、当時、日本で公認されていた管理売春組織を日本軍の占領地にもっていってだけのものである。(ちなみに日本の管理売春制度は1958年に完全廃止される)。「従軍慰安婦」の大半は日本本土の日本女性、さらに当時日本領であった朝鮮、台湾の女性であった。管理売春制度とは公認された“人身売買制度”に他ならず、当事者の人権を著しく踏みにじるものであったことに何の疑いもない。しかし、この人権侵害は「戦地での強制」という戦争犯罪とは別物である。

近年、「従軍慰安婦」問題で日本を激しく非難しているのは韓国であるが、その主張は韓国人の「従軍慰安婦」が「戦地での強制」によるもので戦争犯罪であったということに集約される。ただ残念なことに、日本は1894〜95年に清国(当時の中国の王朝)と戦争して以来、朝鮮半島では戦争を行っていない。まして、朝鮮半島の国と戦争を行ったことは近代以降、一度もないのである。

韓国の事情――「対日戦勝国」の認知を求めた李承晩

韓国では、「従軍慰安婦」問題への被害者意識が最初からあったとはいいがたい。本当に戦時中に犯罪性の高い行為があったのなら、BC級戦犯裁判で取り上げたオランダのように、終戦直後から問題が提起されていたであろう。現実には、「強制された従軍慰安婦」が取りざたされたのは1980年代に入ってからであり、それも日本側の証言や報道が先行する形であった。

しかし、いったん「強制された従軍慰安婦」という設定が提示されると、これが浸透するのは早かった。韓国にはその事実は存在しなかったものの、その設定を受け入れる理由が十分あったからだ。

いうまでもなく韓国は、第二次世界大戦の終結によって、旧日本領朝鮮が分断されて生まれた国家である。南北両国とも大日本帝国が消滅したおかげで成立したのであって、決して自力で独立を勝ち取ったわけではない。しかし、相互に排他的な存在で朝鮮戦争が発生した。その後、激しい国家アイデンティティのぶつかり合いを続けるのである。

この争いは正直にいって北の方に分があった。北朝鮮は、日韓合併後、旧満州吉林省延辺地区を中心とし、中国共産党の支援を受けた抗日パルチザン組織が中核になり、「独立運動の正統」を名乗っていた。一方、韓国は、戦前、中華民国国民党政府と行動を共にしていた大韓民国臨時政府をその前身としており、李承晩・初代大統領もその首班だった。臨時政府は日中戦争中、「光復軍」という軍事組織を作ったが実際には機能せず、抗日戦の実態はなかった。そして臨時政府も国際的な承認を受けることはなかったのである。その上、後ろ盾であった中国国民党政府は、北朝鮮の後ろ盾である共産党政権との内戦に敗れ、1949年に大陸から台湾に撤退してしまう。

しかし、韓国の李承晩政権は半島統一を巡る朝鮮戦争の中で、北朝鮮に対抗しうる「抗日の歴史」を主張し続けた。その結果、1951年9月に行われた連合国、国際社会と日本の講和会議であるサンフランシスコ平和会議への出席と署名を求めるのである。つまり国際社会に韓国を対日戦勝国として認めろ、と主張したのである。当然、連合国側によって峻絶されたが、韓国は李承晩ラインの主張など、その後も朴正煕政権成立まで、内外に「対日戦勝国」として振る舞い続ける。

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最終更新:9月16日(火)13時35分

nippon.com