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09 Oct 2014 13:59

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朝日新聞が誤りを認めても韓国が「従軍慰安婦」問題で妥協しないといえるこれだけの理由

nippon.com 9月16日(火)13時35分配信

無理があるドイツとの比較

この「李承晩のフィクション」という亡霊は、今に至るまで生きている。韓国の政治家、各種団体、メディアの対日批判を見ると、必ずと言っていいほどドイツとの比較が出てくる。特に竹島問題では、ドイツが1990年の再統一に際し、ポーランドと国境問題と難民の請求権放棄問題を最終決定した条約を持ち出し、日本もまたこれを見習えという主張が繰り返される。

しかし、韓国とポーランドを重ね合わせるには無理がある。ポーランドは、紛うことなき対独交戦国だからである。しかもナチスの犯罪被害、戦争犯罪被害の当事者なのである。繰り返しになるが、韓国は第二次世界大戦において日本の交戦国ではない。当時の朝鮮半島の住民が納得していたか否かに関係なく「日本」だったのである。だから、韓国には自らを対日交戦国に擬するだけの動機もしくは心理的な素地があった。「強制された従軍慰安婦」問題は、ヨーロッパのドイツやソ連の占領地と同じイメージを自らに付与する格好の材料だったのである。

出口はあるか――遅すぎた朝日の検証

今回、朝日新聞が過去の報道を検証し、誤りを認めたことは、メディアとして正しい行動であったと思う。しかし、いかにも遅すぎた。最初の吉田証言の報道から32年、政府が行動を余儀なくされ、しかも証言の信用性が失われた92年から22年。この間に、「強制による従軍慰安婦」の問題は、韓国世論の中にビルトインされた。しかも、日本の戦争責任問題の中の代表的な案件として国際社会でも認知されてしまったのである。

しかも韓国は、近年、中国に急速に接近していく過程で、相変わらず「李承晩のフィクション」をアピールしている。しかも中国がこれに応え始めているのである。日本ではまだその深刻さが十分理解されていないようだが、中国が行っている光復軍の顕彰や抗日戦での共闘を認める発言は、韓国に対して外交的に重要な意味をもっている。中国はそもそも北朝鮮に正統性を付与していた存在だったのである。北朝鮮の崩壊と統一の可能性が現実味を増すにつれ、統一の主体としての「李承晩のフィクション」を内外に認めさせようという韓国のモメンタムは高まっていくと考えられる。

過去の報道が取り消されても、事態が白紙に戻ることは考えられない。それゆえ、この日韓両国で展開された一連のフィクションは、起点となった吉田清治の「嘘」そのものとは比べものにならないほど深刻で、罪深いものになったのである。

nippon.com yahoo別館、文責=編集部・間宮 淳

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最終更新:9月16日(火)13時35分

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