アクセスランキング

小名木善行著「ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!」好評発売中!!


弟橘比売命

耳で聴く『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!』オーディオブック版こちら
ねず本の第三巻「日本はなぜ戦ったのか」 8月24日新発売!
ねず本第三巻の「立ち読み版」ができました。
ねず本第三巻120ご注文はコチラhttp://goo.gl/A59KwU
新刊ラジオに、ねず本第三巻の紹介が掲載されました。耳で聴く新刊紹介です。私も出演しています。よろしければご試聴下さい。http://goo.gl/0s543r
第三巻の紹介文はコチラにあります。→http://goo.gl/6ng7KF
つくる会主催の日本史検定講座第五期生を募集中です。みなさまのご参加をお待ちします。

人気ブログランキング
 ↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

弟橘比売命
弟橘比売命


今日は、皇后陛下が英語でスピーチされたときに出て来た弟橘比売命のお話です。

 さねさし相武の小野に燃ゆる火の
 火中に立ちて問ひし君はも

この歌は、弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)が東京湾に入水自殺する直前に詠んだ歌です。
先に少し情況を申し上げますと、ヤマトタケルノミコトは、大和朝廷の全国統一のために、東奔西走したのですが、その東国征伐のときに、駿河の国(佐賀牟能国、相武の国)の焼津で、地元の国造(くにのみやつこ)に欺かれて、野原で火攻め(焼き討ち)にあうのです。
このとき、三種の神器のひとつである草薙の剣(くさなぎのつるぎ)で難を逃れるのですけれど、そのことが由来となって、静岡県に焼津の地名が残っています。

そしてさらに東へと向かったヤマトタケルノミコトの一行は、いまの神奈川県の横須賀あたりから、東京湾を横断して房総半島に向かおうとします。ここは海流の激しいところであることから走水の海(はしりみずのうみ)と呼ばれた難所です。

ところが海路を行く途中で嵐に遭ってしまう。
そこでヤマトタケルノミコトの妻(出雲風土記には皇后と書かれています)の弟橘比売命が、海神を鎮めるために入水自殺しました。
海は夫を想う妻の気持ちが海神に通じて、時化(しけ)がやみました。
そしてヤマトタケルノミコトの一行は無事に海を渡ることができました。

弟橘比売命は、身を挺して夫を扶(たす)けたのです。
このとき、弟橘比売命が入水する直前に詠んだ歌が、冒頭の歌です。
弟橘比売命は、いままさに海に飛び込もうとするときに、その身を投げることには何も言わず、
「あの相武の小野(焼津)で燃えさかる炎の中で、その炎で自分が焼け死んでしまうかもしれないというのに、そのことよりも私の安否を気遣ってくれたあなた・・・・」と詠んだのです。



ちなみに歌にある「さねさし」は、枕詞で意味がないと多くの解説書にありますが、「さね」というのは、古語では「突起」のことをいいます。
「さし」は、「砂嘴(さし)」とか「指し、差し」などと書かれるように、細長く突き出たものをいいます。
であれば「さねさし」は、細長く突き出た「岬」のようなものを意味することは明らかです。
ですから「さねさし相武の小野」は、相武国(駿河の国)の長い突き出た岬にある小野(焼津の岬の野原)という意味になります。

また「相武」は、「相模」と書かれているものが多いのですが、古事記の原文では「佐賀牟能」となっています。
読みはどうみても「さがむの」なので、「相模」ではなく、「相武」と書く方が正しいのではないかと私は思っています。(冒頭の歌も、そのように表記させていただきました)

ちなみに、このとき入水された弟橘比売命の袖が流れ着いたというのが千葉県の「袖ケ浦」、弟橘比売命を忘れられないヤマトタケルノミコトが、足柄で「吾妻はや(わがつまはや)」と嘆いたことが、東国を「あずま」と呼ぶ縁起とされています。

さて実は、というかここが大事なポイントなのですが、この歌にまつわる故事は、日本書紀には書かれていません。古事記にだけある神話です。
前にも申し上げましたが、古事記はいわば「秘伝」、日本書紀は「公開の史書」です。
「秘伝」は、ある一定のレベルに達した者にしか見せない「秘伝中の秘伝の教え」とするものです。
ですからこの「弟橘比売命とその歌にまつわる物語」が古事記にしか掲載されていないということは、そこに重大な「教え」があるということになります。

実は古事記には、弟橘比売命が入水するとき、「菅疊八重・皮疊八重・絹疊八重を波の上に敷きて、その上に下りましき」という記載があります。
嵐で海に揉まれている最中に、海の上に、菅(すげ)の畳を8畳分、皮を8畳分、絹を8畳分敷いて、その上に降り給いて、この歌を詠み、そして海に消えたとあるのです。

このことから学べることは、どんな緊急時にあっても(海の上で嵐に遭って波間に揉まれているのですから、まさに緊急時、非常事態です)、祭事をきちんと行い(菅疊八重・皮疊八重・絹疊八重を波の上に敷きて)、そして、いかなる場合においても、相手が示してくれた恩義(焼津で自分を気遣ってくれた)を忘れずに、感謝の心をもって、嵐のような強大な敵に、たとえ命を犠牲にしてでも、男女ともに立ち向かいなさい、という教えであろうかと思います。

男女ともにとか、強大な敵に立ち向かうとか、非常に厳しい教えであり、心得であるがゆえに、あえて公開文書である日本書紀には記載せず、秘伝の古事記にのみ、これを記載したということではないかと思います。
そしてこれが私たちの国、日本の、天皇の統治の根底にあるということを、私たち日本人は、わきまえる必要があろうかと思います。

国難と呼べるような非常事態は、常に私たちの身に降り掛かります。
けれど、どんな緊急時にあっても、我が命を失うことがあっても、報恩感謝の心を失わず、祭事を大切にして、まっすぐに生きて行く。
そして生残った者は、亡くなり、命を捧げて犠牲になった人の心をいつまでも決して忘れない。
それが日本人だということです。

お亡くなりになって御柱となられた方々への感謝の心と祭祀を失わないという日本人の魂の歴史は、なんとヤマトタケルノミコトの時代から綿々と続いていた、わたしたち日本人の根底にある心です。
いいかえれば、「それがあるのが日本人」です。

戦後69年目を迎えました。
戦災で亡くなった方、戦地で命を失われた方々の命の上に、いまの私たちの命と生活があります。
そのことに思いをいたさずに、いつまでも日本人は、やれ戦犯だとか犬死にだとか、どっかの人道をわきまえない阿呆の外国人が言い出したことを鵜呑みにしていてはいけないと思います。



人気ブログランキング
 ↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

美智子皇后陛下が英語で語られた倭建御子と弟橘比売命の物語
Her Majesty the Empress English Speech


【メルマガのお申し込みは↓コチラ↓】
ねずさんのひとりごとメールマガジン有料版
最初の一ヶ月間無料でご購読いただけます。
クリックするとお申し込みページに飛びます
↓  ↓
ねずブロメルマガ



関連記事

コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014/10/09(木) 11:51 | | #[ 編集]
No title
「どんな緊急時にあっても、我が命を失うことがあっても、報恩感謝の心を失わず、祭事を大切にして、まっすぐに生きて行く。そして生残った者は、亡くなり、命を捧げて犠牲になった人の心をいつまでも決して忘れない。」
天災に遭っても混乱することなくルールを守り、慰霊碑を立てて亡くなった方のことは忘れない。日本にはその精神がしっかり残っているんですね。
しかし、こうした価値観を持たない外国人の増加と、戦後教育で経糸を切られた日本人が増えていることを考えると、そう安心してはいられません。
安倍首相が再登板され、反日勢力には明らかな焦り(発狂も)が見られます。今こそ一般の日本人が立ち上がる時ですね。本当にねずさんがいつも言われている通りです。頑張らねば!
2014/10/09(木) 12:38 | URL | 一読者 #-[ 編集]
No title
今回のお話を読んで、1992年の山形で行われた国体開会式の皇后陛下をおもいだしました。
天皇陛下がお言葉を述べられる中、過激派が発炎筒のようなものを投げつける事がありましたが、皇后陛下は男の異変にすぐに気付き、さっと手を天皇陛下の前へ差し出し、身を挺してお守りした姿です。

皇后陛下は、天皇陛下がお言葉を述べる間、いつも優しいお顔で陛下に顔をむけていらっしゃいますが、
その一方で、常に周りを見ていらっしゃって、陛下に万が一のことがないよう、誰よりも気を配られていると、そのとき衝撃を受けました。

皇后陛下は弟橘比売命そのものですね。
2014/10/09(木) 12:38 | URL | 軍人の娘 #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2014/10/09(木) 12:40 | | #[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2014/10/09(木) 12:52 | | #[ 編集]
日本人でよかった
〉「それがあるのが日本人」です。
そう思います。
こういう、「日本人とは何か」を強く意識することこそが、「日本が日本であることの意義」を強く考えさせてくれると思います。
ありがとうございました。
2014/10/09(木) 12:58 | URL | Alinamin2011 #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2014/10/09(木) 13:33 | | #[ 編集]
No title
天は正しく生きようとする日本人を常に温かく見守っておられる・・しかし他力本願で身を守ることは不可能です。日本人だけなら問題はありませんが我が国は史上最悪の野蛮国と隣接し、その脅威にさらされているのです。しのごの言ってないで鍛えましよう!!
2014/10/09(木) 15:14 | URL | 通りすがりの武人 #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2014/10/09(木) 15:21 | | #[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
AdSense
カレンダー
09 | 2014/10 | 11
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
このブログをリンクに追加する
リンク2
AdSense
カテゴリ
月別アーカイブ
AdSense
解析
スポンサードリンク
ねずさんの本
↓好評予約受付中↓

↓既刊本↓


ねずさんメルマガ
ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ
検索フォーム
AdSense
関連サイト
祝日には国旗掲揚を!
御国旗セット
¥2,190

大型御国旗セット
[ステンレス製3mポール付き]
¥4,800

御国旗伸縮ポールセット【大サイズ】
¥3,000

御国旗セット L
[ マンション設置用 Lタイプ テトロン 国旗 ]

Facebook
講演のご依頼について
最短で3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。テーマは、ご自由に設定いただいて結構です。講演時間は90分が基準ですが、会場のご都合に合わせます。
E-mail nezu3344@gmail.com

過去の講演テーマです。
君が代と日本人
大国主神話とシラス国
和歌と日本の誇り
歴史から見た慰安婦問題
領土と主権のお話
和と結いの国、日本
日本人にとっての戦いとは
武士道と忠義
日本人と食のお話
建国の理念と日本の文化
世界に誇る縄文文化
百人一首と日本人 etc....
ご寄付について
ねずブロはみなさまのご支援で成り立っています。よろしかったらカンパにご協力ください。
【ゆうちょ銀行】
記号 10520
番号 57755631
【他金融機関から】
銀行名 ゆうちょ銀行
支店名 〇五八(店番058)
種目  普通預金
口座番号 5775563
【問い合わせ先】
お問い合わせはメールでお願いします。
nezu3344@gmail.com

台灣民政府
台湾民政府
サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾に関して処分権は連合国に提供しましたが、領土の割譲は行っていません。条約以降、連合国も日本も台湾の処分先を決めていません。つまり台湾はいまも日本であり、台湾にいる1500万人の戦前からいる台湾人は、日本国籍を有する日本人です。私は台湾民政府を支持します。
お薦め書籍1

日中戦争-戦争を望んだ中国 望まなかった日本


江戸の自治制


幻の黄金時代


ドキュメント自衛隊と東日本大震災

お勧め書籍2
AdSense
コメントをくださる皆様へ
基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。
最新トラックバック
AdSense
プロフィール

小名木善行(HN:ねず)

Author:小名木善行(HN:ねず)
国史研究会 代表
日本の心をつたえる会 代表
名前:小名木善行(HN:ねず)
連絡先: nezu3344@gmail.com

amazon
通州事件の真実
通州事件を実際に体験された女性の手記です。
クリックするとテキストファイルが開きます。
https://docs.google.com/file/d/0B9Dh1-gISO9CZERHN2oxempSeEk/edit
パチンコをはたき出せ!
パチンコ撲滅
パチンコ市場は21兆円
そのお金を消費に向ければ莫大な経済効果が生まれる!

 ↓関連記事↓
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1197.html
やまと新聞を守れ!

やまと新聞は、戦後GHQの圧力に屈することなく、日本のジャーナリズムの正義を貫いた唯一の新聞です。
みんなの力でやまと新聞を応援しよう!!
やまと新聞社の公式HPは
 ↓コチラ↓
http://www.yamatopress.com/ 購読料は月500円です。
下の窓の中味をコピペすると、上のバナーをご自分のHPに貼ることができます。
やまと新聞の紹介記事はココをクリック
殲滅支那大連盟
殲滅支那大連盟

■満州国臨時政府■
 ↓ ↓ ↓
http://www.manchukuo.net/
ねずブロの拡散・転載について
当ブログの日本の心を伝えるための適法かつ前向きな拡散はおおいに歓迎です。 ただし適法な引用でないと、著作権侵害で処罰されることがありますのでご注意ください。
RSSリンクの表示
FC2ブックマーク

PING送信プラス by SEO対策

QRコード
QRコード
エディタ・コミュニティ
edita.jp【エディタ】
コメントをくださる皆様へのお願い
いつもたくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。
ほんとうに皆様のコメントが、とっても嬉しく、かつありがたく拝読させていただいています。

議論というものは、すくなくともこのブログのコメント欄が、国政や地方自治、あるいは組織内の意思決定の場でなく、自由な意見交換の場であるという趣旨からすると、互いに互譲の精神を持ち、相手を尊敬する姿勢、ならびに互いに学びあうという姿勢が肝要であると存じます。

私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

従いまして、謙譲・互譲・感謝、そして学ぶという姿勢のない連続投稿、粘着投稿に類する投稿をされた方については、以後のコメント書き込みを、管理人である私の判断で投稿の禁止措置をとらせていただきますので、あしからずご了承ください。
スポンサードリンク