本棚倒壊:姉妹死傷、元書店経営者に有罪判決 札幌地裁
毎日新聞 2014年10月09日 11時04分(最終更新 10月09日 12時39分)
札幌市東区の古書店で2009年、本棚が倒れて中学生と小学生の姉妹が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元書店経営者、服部誠二被告(43)に対し、札幌地裁は9日、禁錮1年、執行猶予3年(求刑・禁錮1年)の判決を言い渡した。無罪の主張を退けられた弁護側は控訴する方針。
田尻克已裁判長は「収納効率を優先して書棚を設置し、補強を安易に考え、傾いた状況を漫然と放置した過失は大きい。命を失うに至った刑事責任は大きい」と述べた。
事故は09年10月13日、本を満載した棚が倒壊し、小学5年だった鈴木愛菜(あいな)さん(事故当時10歳)が胸を挟まれて重体となり、12年9月に死亡。中学3年だった姉の愛梨(あいり)さん(19)は頭などに軽傷を負った。
検察側は論告で「本棚は壁などに固定されず、軽い力を加えても倒壊する危険があった。被告は事故を防ぐ義務を怠った」と指摘。弁護側は「本棚は不安定な状態になく、倒壊を予想できなかった」と主張していた。
この事故を受け、消費者庁は10年12月、本棚を床や壁などに固定するよう求めた安全指針をまとめ、書店業界や各都道府県などに通知した。【三股智子】