鎖で小2長男監禁 半径1m余しか動けず10月9日 14時02分
8日に滋賀県長浜市の住宅で、小学2年生の長男が鎖で柱につながれているのが見つかり、両親が監禁などの疑いで逮捕された事件で、男の子は鎖でつながれた柱から半径1メートル余りの範囲しか動くことができない状態だったことが警察への取材で分かりました。
8日午後4時前、長浜市千草町の住宅で、この家に住む小学2年生の8歳の長男が腹に鎖を巻きつけられて南京錠で柱につながれているのを訪ねてきた友だちが窓越しに見つけ、警察は長男を保護するとともに、近所にいた父親で無職の宮島保名容疑者(32)と母親の茜容疑者(27)を監禁などの疑いで逮捕しました。
長男に大きなけがはありませんでしたが、衰弱していたため病院で点滴を受けたということです。
警察のその後の調べで、長男は鎖でつながれた柱から半径およそ1メートル50センチほどの範囲しか動くことができず、長男の近くにはおにぎりとおまるだけが置かれていたことが分かりました。
逮捕された両親は容疑を認め、「トイレは、鎖につないだままおまるでさせていた」などと供述しているということです。
警察は長男が日常的に虐待を受けていた疑いがあるとみて詳しいいきさつを捜査しています。
男の子が見つかった際の様子は
男の子の自宅近くに住む70代の男性は「子どもたちが何人も家の前に自転車を止めていて、『男の子を助けてあげて』と言っていた。家の中を見ると、男の子のおなかに鎖が頑丈にまかれて柱につながれているのが窓越しに見えてびっくりした」と話していました。
その後、一緒にいた別の男性が、駆けつけた警察官と鍵のかかっていない窓から家に入り、工具で鎖を切断して男の子は保護されたということです。
男性は「妻がパンと牛乳をあげたら喜んですぐにたいらげた。男の子に『大丈夫か』と声をかけたら、返事はなかったが比較的落ち着いた様子だった。ただ男の子の顔にはあざのようなものがあった」と話していました。
差し迫った状況にないと判断
滋賀県彦根子ども家庭相談センターでは、ことし7月16日に警察から虐待が疑われるという連絡を受けていました。
その際、長浜市と連絡をとりあい、市の担当者がその日のうちに男の子の自宅を訪問したということです。
男の子が1週間ほど学校に来ていないことや体にあざのようなものがみられたことについて、市の担当者が確認したところ、母親と男の子は「大丈夫です」などと話したということです。
このため県としては差し迫った状況にないと判断し、直接介入はしないものの注意が必要な家庭だとして経過を見守っていたということです。
センターの菅野道英所長は「すべての案件に児童相談所がすぐに介入するのは難しいが、センターの職員が現場に行かなかったことには落ち度があったと思っている。今回の事件を検証して今後の対応を見直していきたい」と話しています。