見えない道場本舗 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

.      HP(Mail有)  twitter  togetterまとめ twilog 社説を一覧で 読書メーター

2014-10-09

物語の中で「ゲームした、映画を見た」時の、画面の著作権…ハイスコアガール、アオイホノオ、そして「まんが道」

| 物語の中で「ゲームした、映画を見た」時の、画面の著作権…ハイスコアガール、アオイホノオ、そして「まんが道」を含むブックマーク 物語の中で「ゲームした、映画を見た」時の、画面の著作権…ハイスコアガール、アオイホノオ、そして「まんが道」のブックマークコメント

http://www.jp.square-enix.com/company/ja/news/2014/html/86657a6d3e3e054d1c736e4a5624403c.html

2014年10月 8日 訴訟提起のお知らせ

株式会社スクウェア・エニックス本社東京都新宿区代表取締役社長松田 洋祐、以下「当社」)は、本日、株式会社SNKプレイモア(以下「被告」)を相手方として、債務不存在確認請求訴訟大阪地方裁判所に提起いたしましたので、お知らせします。

当社が出版する漫画ハイスコアガール」が被告著作権を侵害しているとして、被告が当社及び当社出版部門関係者を刑事告訴……当社としましては、上記の刑事告訴を受け、被告が主張するような著作権侵害事実がないことの確認を求めて本件訴訟の提起に踏み切ったもので、当社の主張の正当性民事訴訟の場において明らかにしていく所存です。(後略)

司法判断裁判を待つしかない (どこか訴状を詳しく紹介してくれ!!)のだが、「べき論」や「応援」の範囲で言えば、スクエニ側…というか「ハイスコア・ガール側」…というか、さらにいえば「(実在の)ゲームをやったとか映画を見たとかを描写に盛り込んで、その中でゲーム映画の画面、キャラクターを紹介する技法」を応援するし、それが現行法に基づく司法でNGになるなら、現行法のほうを変えちゃったら、とぐらい思っている。

んで、表題の3例なのだが、ハイスコアガールはそもそもこの裁判の経緯なので説明不要だな。

アオイホノオ」は原作のときはついっとスルーしてたが、ドラマになって「ああ、こういう場面は問題があるんだ!!」と気付かされた場面があるのだ。

公式ブログ連動企画】やつらに騙されるな!アオイホノオ第五話「嗚呼東京」のひみつ - 岡田斗司夫なう。 http://blog.freeex.jp/archives/51431209.html #Zenback @ToshioOkadaさんから

名画座の「ロッキー

 まさかの再現フィルム!  TVドラマ内で実在映画映像とか使うのは権利処理がたいへん難しい。特にハリウッド作品など不可能に近い。だから普通、そういうシーンは シナリオに入れないし、あったとしてもプロデューサーがカットする。

 しかし!「アオイホノオ」では敢然とこの問題に立ち向かった!

 その成果が、このまさかの「再現フィルム」である。

 結果は・・・

 僕は好きだ。

 このドラマの、こういう「マジメに悪ふざけして、その上で感動させるところ」が大好きだ。第一話の庵野のセリフ「受けようと思って作ったんじゃない!感動させようとしたんだ!」を地でいく名シーンである。

東京にはじめて漫画を持ち込んだホノオ君が何のいい反応もないことに打ちのめされ、何度も見た「ロッキー」を上映する名画座にふらりと入ると、何度倒されても立ち上がるロッキーが今まで以上に心に染みて…というたいへんな名場面であり、名シーンなのだが、なんとドラマは、あからさまに日本人俳優が再現したロッキー映像が流れたと(笑)。たしかに岡田氏が言うとおりあの手は同作品にマッチしていたけど、「この作品だから」マッチした例外例外(笑)


ことほどさように、今現在、「あの映画を見た」というのがドラマやなんかで重要であっても、画面を出すのは難しいらしい。法律上そうなのか、業界の慣習レベルなのか。

また「アオイホノオ」には原作があるわけで、そっちはどうだったのか。松本零士あだち充高橋留美子は、島本和彦氏の人脈と人徳でOKだろうが、スタローンまでその人脈が続いているとは思えない(笑)

これって映画ドラマで紹介するとするなら、必然的に「その映像」になるのだが、漫画の場合はこれまた必然的に「模写」になるという違いがあるのだろうか??

まあ「アオイホノオ」原作版はすーべて編集者と作者本人が走り回って許可を取っているそうです。その中には「ロッキー」の許可があったのかもしれない。


そして…藤子不二雄先生の「まんが道」とその続編「愛…知りしめし頃に…」です。

f:id:gryphon:20141009120051j:image

ご存知の通り、藤子不二雄の青春を下敷きにしたこの作品には、それを除いたら成立しないぐらい「映画を見にいった」という話が登場している。藤子A一流の模写、俳優や場面を描いたイメージ画も多数。

自分がいちばん印象に残っているのは、西部劇「ヴェラクルス」を手塚治虫と才野・満賀コンビが一緒に見に行き、「最後の決闘シーンで悪役のガンマンが一瞬にやっと笑い、その後にどおっと崩れ落ちる」というシーンを会食しながら手塚と二人が熱く語り合い、手塚の深い作劇分析に驚く…という箇所だ。

そういえば個人的には子ども時代に読んだので「物語をただ読むだけでなく、その創作意図演出の工夫を分析する」という視点を、コドモゴコロにこれで教わったりもしたんじゃなかったかな。


さて…

『「まんが道」とその続編シリーズなら、ちゃんと小学館が動いて許可を取っているんとちゃう?』

というのも当然有力仮説だが

『何しろまんが道は始まったのも昭和の古きよきいいかげんな時代だったし…最近の”知りそめし”シリーズはともかく、初期のはヤバイ』

という推測もありえるんじゃないかしらね。

まあ当方は当然、内部事情とかを知るすべもなく、ただ結果的に、『A先生まんが道シリーズは、場面の模写も含めた「映画の場面」がたくさん出ている』、ちう結果だけを見ているのみです。


だから、そもそも許可を云々と心配するより「その人がXXXを見た、やったという設定で画面やキャラクターが登場するのはアリ。許可不要」というふうになってほしいなあと思うのであります。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141009/p4