これは憲法や日米安保条約が許容する防衛協力の姿なのか。拡大解釈が過ぎな…[続きを読む]
原発の火山対策は大丈夫か。 不意打ちのような御嶽山(おんたけさん)の…
原発の火山対策は大丈夫か。
不意打ちのような御嶽山(おんたけさん)の噴火災害を機に、そんな疑問や不安が高まっている。
50人を超す死者を出した御嶽山の噴火は、日本が110もの活火山がひしめく火山国であることを思い起こさせた。そこに48基の原発があり、核燃料が入ったままの廃炉原発がある。
原発の建設適否を判断する立地審査や、構造や運転をめぐる基準ではこれまで、火山のリスクが軽視されてきた。
現在の火山学では十分な噴火予知は期待できない。巨大噴火の過去を持つ複数の火山が周囲にある川内(せんだい)原発をはじめ、噴火リスクが高い地域の原発については、いま一度存廃を含めて慎重に検討すべきである。
福島第一原発事故は、十分な津波対策ができていなかったことを露呈した。
その反省に立ち、原子力規制委員会は自然災害への備えを広く見直し、新しい規制基準により各原発に噴火リスクに応じた対策を求めるよう改めた。それ自体はうなずける。
不安をかき立てた御嶽山の噴火は、規模としては小さい。
原発で問題になるのはマグマ噴出も伴う大規模な噴火や、カルデラと呼ばれる陥没地形ができるほどの巨大噴火である。
大量の火山灰や火砕流などで原発が制御不能になる事態が怖いのであり、その違いをもって規制委の田中俊一委員長は記者会見で「一緒に議論するのは非科学的だ」と言ったのだろう。
だが、どんな規模であれ、噴火の時期や規模を的確に予測することはほとんど不可能なことが、火山問題の本質である。
火山の寿命は通常数十万年といわれる。現代的な観測はせいぜい数十年。ごく一部の火山でざっと寿命の1万分の1を観測したに過ぎない。
なのに九州電力は巨大噴火について、川内原発の稼働期間中に起きる可能性は十分低く、起こるとしても事前に変化をとらえて核燃料を運び出せると自信満々だ。規制委も追認した。
人にたとえれば、80年生きる人に3日間接しただけで、くしゃみを見てもいないのに「過去はこの程度のくしゃみがこの頻度だったから、しばらくはすまい。する前にはきっとわかる」と判断しているようなものだ。
火山の研究には今後さらに力を注ぐべきだが、防災面で過剰に期待してはならない。
日本列島では巨大噴火が1万年に1回程度起きたとされ、次がいつかは誰にもわからない。原発が襲われれば、日本だけでなく世界も脅威にさらされる。
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