K-5IIs
ローパスレスによる驚異の解像力
Good
- ローパスレスによる高い解像力
- コンパクトなサイズ
- 視野率100%のファインダー
- バッテリーの持ちが良い
- 2ダイヤルを含めたハードウェアスイッチの多さ
- ボディ内手ぶれ補正
- ダイナミックレンジの広さ
- ISO1600〜ISO3200程度まで常用可能な高感度性能
- 防塵防滴
- オプションのバッテリーグリップ
- 素晴らしい暗所AF性能
- 静かなシャッター音
Bad
- 動体AFは苦手
- UHS-Iに対応していない
- フォーカスポイントが11点と少ない
コメント
凄まじい解像力を持つ素敵なカメラ。
ローパスレスの効果は確かなもの。
画質
画素数や画像処理エンジンなど基本的な部分は据え置き。スペック上では何も変化が見えないが、よりチューニングされている可能性はある。
劇的な相違点としてはやぱりローパスフィルターレス。この威力は明確で通常の鑑賞サイズでも画像のきめの細かさが違って見える。等倍で見れば解像力の違いは明らか。
今まではシャープネスを強めにかけていたレンズでもシャープネス不要の解像力となる。
ただしローパス効果が弱いとモアレや偽色が出やすくなるというデメリットもあり、実際、街並みなどを撮っているとそこそこの頻度でモアレが出てくるのを確認している。人物を撮る時は衣服でもよく出る。
自然物でも水しぶきや茂った草、動物の毛並みなどで出ることがある。
とは言え鑑賞サイズで見て気になることは少ないので大きな問題とは感じていない。
高感度性能
高感度性能はノイズの出方など基本的にはK-5と変わっていないように感じる。ただし解像力が高いためか高感度でもディテールが残っている感じで、結果的に一段分くらい許容範囲が上がった。
被写体にもよるがISO3200くらいまで常用として問題がない。ISO6400も非常用としては十分なクオリティ。
ISO12800以上は完全に非常用。ISO25600、ISO51200はデジタルフィルター代わりには良い。
ただISO6400以上にすると撮影後の画像の保存に少し時間がかかるため、撮影のテンポが悪くなる。
ISO51200だと数秒間待たされる。最初に使ったときはフリーズしたのかと思った。これは画像エンジンのパワーが貧弱なためだろう。
ほか今のところ気がついた点としてはK-5より多少色収差が抑えられている気がする。あまり大きな違いではないが。
それから一年間使い倒したが、K-5と違いミラーショックが気になることが今のところ皆無。
使い勝手
K-5と同様の使い勝手で何も不満はない。
防塵防滴、視野率100%のファインダー、ダブルダイヤル、豊富なハードウェアスイッチによる素早い操作等々。
電子水準器、自動水平機能、構図微調整なども使いこなせば便利。
シャッター音もK-5そのままの静かさで安心した。
しかしメモリーカード的には今時UHS-Iに対応していないのはいかがなものか。
手ぶれ補正
ボディ内補正のためすべてのレンズで手ぶれ補正の恩恵を得られるのはペンタ機の特権。
カタログスペックでは公称3段分の効果と、K-5の公称4段分よりスペックダウンしている。
が、これは記載を控えめにしただけということで、実際はK-5と同等のものを積んでいる。
簡単な検証をした結果、自分が実感できるのは2段分〜3段分程度だ。レンズによって効き目の違いがある。
バッテリー
K-5と同じくバッテリーの持ちには不安を感じない。
撮りまくっても数日は持つので毎日使っているといつ充電したか忘れてしまうレベル。
ただライブビューを多用するとファインダーで撮影しているときとは減りの速度が違うので注意。
操作性
K-5と同様によろしい操作性。
ペンタックスの一眼のインターフェースは良くできていて初心者でもとっつきやすいと思う。
他社のカメラはマニュアルを見ないと分からないような操作がけっこうあるが、ペンタックスの少なくとも最近の機種はカメラ本体をいろいろといじっているだけでなんとなく設定が分かる。
背面液晶に色々と分かりやすく表示されるせいかな。
オートフォーカス
発売前のレポートによれば暗所AFがすごいことになっているとのことだったが、実際試すと本当にすごいことになっていた。K-5ではAFを諦めてMFしていたような状況でもビシッと合焦する。しかも精度も上々。
暗闇でも補助光で照らした一瞬の間に素早く合わせてしまうのにはびっくりした。
動体AFについてはコンティニュアスAFの挙動が変わっているのを確認。合焦マークの表示の頻度が少なくなっていて、K-5よりも効率よく動作しているのではないかと推測。
しかし初動や食い付きはやはり今ひとつで、連写すればジャスピンも得られるが歩留まりは悪い。
ライブビューのコントラストAFはレンズにもよるが十分な速さ。これに関しては他社の一眼レフ(ミラーレス機を除く)と比べても速い。精度は概して位相差AFよりも優れているが、ただし暗所AFは不得意。
フォーカスポイントが11点しかなく他社に水をあけられているのはK-5の時と変わらず。
防塵防滴
安心してアウトドアに持ち出せる防塵防滴はもちろん健在。
撮影中に雨が降ってきても余裕。旅や登山などでは突然の雨に備えてレンズも防滴にしておきたい。
携帯性
K-5とほぼ同等(若干薄くなったが重さは20g増)
中級一眼レフ機としてはコンパクトでナイスな携帯性。
総評
これは素晴らしいカメラ。
自然の風景を撮ることが主ならばローパスレスによる解像力を存分に活かせるので強く推奨。
一方でストリートフォトや人物ポートレートなどをよく撮る人はちょっと考えた方がいいかもしれない。
満足度は120点。
K-5との違い
- AFモジュールが強化された(特に暗所AF)
- 背面液晶の視認性がよくなりエアギャップレスによりゴミが入らなくなった
- ローパスフィルターレスになった
K-5のAFに満足していてローパスフィルターレスがいらない、という人はK-5から買い換える必要はなさそう。
K-5IIとの違い
ローパスフィルターの有無のみ。
K-5からK-5IIに買い換えるか否かはAFと液晶のグレードアップに価値を見いだせるかどうか、といったところか。
動作不具合
K-5と同様にフリーズすることがあり、バッテリー脱着作業を強いられた。
とはいえ頻度はまれで、さほど気になる問題ではなかった。
加えて同じくSanDiskのExtreme Proを使っていると「メモリーカードが異常です」の表示が出ることがよくあったが、東芝のカードにしたらそういうことはなくなった。
ペンタはSanDiskとは相性が悪いのかなと思った次第。
メンテ&使用記録
点検 2013/10
保証切れを前に点検。
きれいにつかっていると褒められた。動作も異常なし。めでたし。
Spec | |
---|---|
有効画素数 | 約1628万画素 |
撮像素子 | 23.7×15.7mmサイズCMOS、総画素数 約1693万画素 |
記録媒体 | SDメモリーカード、SDHCメモリーカード |
インターフェース | USB2.0、AV出力端子、外部電源端子、外部レリーズ端子、Xシンクロソケット、HDMI出力端子、ステレオマイク入力端子 |
ファインダー | ペンタプリズム 視野率100% 約0.92倍 |
シャッター | 1/8000秒〜30秒、バルブ |
連写 | 7コマ/秒 |
幅 x 高さ x 奥行き | 131mm x 97mm x 72.5mm |
質量 | 680g(バッテリーとSDカード込みで760g) |
関連用品
バッテリーグリップ D-BG4
K-5で利用していたものがそのまま使える。重さはバッテリーを入れた状態で325g。
メリットとしては縦位置撮影がしやすくなるほか、横位置でもグリップがしやすくなる。予備バッテリーまたは単3電池6本を電源として追加できるのでバッテリーの持ちがよくなる。
デメリットは重くなること大きくなること。ただしこれらは撮影時の安定性が増す要因でもあるため一概に悪いとは言えない。
本体側のバッテリーを取り出す際に外さないといけないのは相変わらずめんどくさいが、もともとバッテリーの持ちがよくしょっちゅう充電しなくても済むためそれほど負担ではないだろう。
やはりかなりオススメのアクセサリー。
バッテリー D-LI90P
基本的にK-5およびK-01のものがそのまま使える。
ただしK-5と若干バッテリーの規格が変わっていて、カメラにはどっちのバッテリーでも大丈夫なのだが、充電器はそれぞれのバッテリーに適合するものを使わなくてはならないので注意。
予備バッテリーをバッテリーグリップに入れれば驚異の電池寿命。
ストロボ AF540FGZ
ストロボを本格的に使いたい人にとっては純正ストロボは何やら不満のある代物らしい。
一応持っているがあまり使っていない。
たまに使うと首振りでバウンスしやすいのは便利だなーと思う。
防水リモコン O-RC1
三脚立てての風景撮影などに。
ポケットに入れっぱなしで二回くらい洗濯したがびくともしないぜ。
ケーブルスイッチ CS-205
花火撮影などに。
リモコンの方が気軽に使えるが角度などによって反応しないことがあるので、シャッターチャンス確実に捉えたい場合にはケーブルの方が確実。
イメージセンサークリーニングキット O-ICK1
レンズ交換を繰り返しているとどうしてもセンサーにゴミが付着する。
青空や白い壁などを写した時にゴミの映り込みが気になるほど汚れてきたらこれでぺたぺたと清掃すればOK。効果はばつぐんだ!
通称ぺったん棒。
O-GPS1
アストロトレーサーで星を点のまま撮影できる面白アイテム。(通常の長時間露光では星の動きにつれて曲線として写る)
また単なるGPSとしても使える。旅に出るときは付けっぱなしにしていることが多い。
簡易防滴構造なのでK-5IIsに付ければ天候かまわず使える。
直線ナビは相変わらず役に立つシーンがよく分からない。
Lightroom 4
補正ブラシのモアレ除去がありがたい。
しかし都度かなりのCPUパワーを使うのでモアレがたくさん出てるとヤバイ。出方が微妙なときは消えないときもある。
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Adobe Lightroom4
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Pentax Forums
デジカメWatch 長期リアルタイムレポート
Example
Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM
1/200s f/5.6 ISO100 10mm
FA 31mm F1.8 AL Limited
1/80s f/8.0 ISO100 31mm
D FA Macro 100mm F2.8 WR
1/60s f/5.6 ISO800 100mm
DA70mm F2.4 Limited
1/125s f/5.6 ISO1600 70mm
DA★16-50mm F2.8ED AL [IF]SDM
1.3s f/8.0 ISO100 28mm
DA★300mm F4 ED[IF]SDM
5s f/4.0 ISO400 300mm
FA 31mm F1.8 AL Limited
1/160s f/8.0 ISO100 31mm
COSINA Carl Zeiss Distagon T∗2.8/25 ZK
1/125s f/8.0 ISO200 25mm
COSINA Carl Zeiss Makro Planar T∗2/100 ZK
1/125s f/5.6 ISO400 100mm
FA☆28-70mm F2.8 AL
10s f/8.0 ISO100 70mm
DA18-135mm F3.5-5.6 ED AL[IF] DC WR
1/50s f/8.0 ISO80 60mm
FA☆28-70mm F2.8 AL
80s f/8.0 ISO400 31mm
FA 31mm F1.8 AL Limited
1/250s f/4.0 ISO100 31mm
FA 77mm F1.8 Limited
1/30s f/2.8 ISO1600 77mm
DA★16-50mm F2.8ED AL [IF]SDM
1/160s f/8.0 ISO100 50mm
DA★16-50mm F2.8ED AL [IF]SDM
1/15s f/5.6 ISO1600 16mm