イスラム国:同居男性が元教授に紹介 渡航計画の北大生を
2014年10月09日
北海道大生のイスラム国参加を巡る相関図
北海道大学の男子学生(26)=休学中=が、イスラム過激派組織「イスラム国」に戦闘員として参加するためシリアに渡航しようとした事件で、イスラム国に人脈があり渡航を手引きしようとした元大学教授(54)に学生を紹介したのは、学生と東京都内で共同生活をしている30代の男性だったことが関係者への取材でわかった。警視庁公安部は既に男性から任意で事情を聴いており、渡航計画の経緯を詳しく調べている。
関係者によると、男性は元教授の知人で、学生が渡航を目指すきっかけとなったシリアでの求人広告を掲示した東京・秋葉原の古書店の関係者だった。
学生は約2カ月前に北海道から都内に転居し、男性3人と杉並区の一軒家で共同生活を始めた。今春、古書店に掲示されたシリアでの求人広告に呼応し、フリージャーナリスト(45)らとシリアへの渡航を計画し、同居する30代男性から元教授を紹介されたという。
学生は事情聴取に「就職活動に失敗した」などと話し、周囲には自殺願望を漏らしていた。最近イスラム教に改宗してアラビア語も学んでいたといい、公安部は現状への不満から渡航を計画した可能性があるとみている。
元教授は8日、インターネット上に見解を発表した。「古書店員から紹介を受けた学生のイスラム国渡航の支援を開始した」とする一方で、「(自分は)イスラム国のメンバーでもなく、リクルートを行う立場にもない」と説明している。【岸達也、戸上文恵】