三菱マテリアルは8日、水と油を瞬時に分離することができる新たな素材を開発したと発表した。新素材の成分を浸透させたフィルターに通すことで、油分を含んだ水から油だけを取り除くことができるという。頁岩(けつがん)を高圧の水で割って天然ガスを取り出すシェールガス田の廃水処理などにも活用できる素材として、2015年度の製品化を目指す。
水と油の両方をはじく性質を持つフッ素系素材を独自の有機合成技術を用いて変質させ、はっ水性能のみを除いた。布などに新素材の成分を塗布したフィルターを使うことで、遠心分離などの既存の方法よりも効果的に水と油分を分離できるようになるという。
同社は鉱山や工場の廃水処理向けなどに需要が見込めるとしており、今後、浄水装置メーカーなどと組んで新素材の用途開発を進めている。
三菱マテリアル、シェールガス田