賃貸住宅の“異常な”更新料、なぜ不払いでも大丈夫?家賃値上げも拒否して問題なし?
Business Journal 10月9日(木)0時10分配信
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| 『家賃を2割下げる方法』(日向咲嗣/三五館) |
10月3日付当サイト記事『賃貸住宅の更新料は払わなくてよい?家賃引き下げる絶好の機会?その具体的交渉法とは』では、更新料を払わなくて済む方法を紹介したが、契約書に署名捺印もせず、請求されている更新料を一方的に不払いにすることを不安に感じた人も多いだろう。大家に追い出されるのではないかと懸念する人もいたかもしれない。
もちろん、そんな事態には発展しない。今回は、その理由を詳しく解説しておこう。
第一に、借地借家法第26条に規定されている法定更新は無条件で成立するものであり、更新料を払った場合のみ有効になるような性質のものではないということ。
借地借家法は強行規定(契約によって変更できない法規)のため、もし店子に不利な特約(例えば、「2年間は家賃の減額はしない」など)が付いていたとしても、それは無効になるのが大きな特徴だ。つまり、契約条件に関係なく、満期を迎えても店子がこれまでと同じ家賃を払い続けてさえいれば、自動的に契約は更新されることに変わりない。
借地借家法26条には「満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知をしなければ」という前提条件があるものの、その通知によって更新を拒絶するには「正当な事由」(借地借家法28条)が必要とされており、その「正当な事由」はよほどのことがない限り認められない。
これによって、例えば大家から、「来年から家賃を2倍に値上げするけど、嫌なら出ていって」と言われた場合でも、「出ていきません」と店子は堂々と言えるわけで、とかく弱い立場に立たされがちな店子を保護するために設けられている法律なのである。
この法定更新が無条件で成立する以上、更新料は大家と店子がお互いに条件に合意して、新たな契約を締結したときに初めて有効になるというのが本来の解釈である。
ただし、更新料の請求権そのものについては、契約書で具体的に金額や支払い義務が明確に記載されていて、なおかつその額が常識外れに高額すぎなければ有効という判決が出ている(2011年7月15日最高裁判所判決)。しかしこの判決は、「消費者の利益を一方的に害する更新料は、その存在自体が違法で無効ではないか」(実際に、更新料無効の判決がいくつか出ている)という訴えに対して、「一定の要件を満たしていれば有効」との判断を示したにすぎず、更新料に特別法的な位置付けが与えられたものではないのである。よって、厳密には大家に訴えられて敗訴する可能性がまったくないとはいいきれないが、それは単に「法定更新でも、更新料は請求できる」というだけのことにすぎず、決して「更新料を払わないと退去を命じられる」というような話ではない。
最終更新:10月9日(木)0時10分
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