2013年度に過去最多となる約226万台を販売した軽自動車は、自動車の新車販売の約4割を占めている。しかし、消費税増税前の駆け込み需要の反動で、この8月の国内販売台数は前年同月比15.1%減。2か月連続で減った。そんななかダイハツが、今年11月の発表に先駆けてお披露目した新型軽自動車のプロトタイプが注目を集めている。昨年の東京モーターショーで出展した「DECA DECA(デカデカ)」をベースに開発が進められているこの新型車最大の特徴は、軽自動車史上最大の室内空間だ。
新型車は、同社の背高軽ワゴンのタントよりも室内空間を1割広げた。荷室容量は約90リットルで、後部座席を折り畳まずにベビーカーやゴルフバッグなど高さや長さがある荷物を立てて積めるのだ。全高は1835mmもあり、室内高は軽自動車トップの1455mmもある。“ウルトラスペース”を謳うだけあって、大人4人がゆったりと乗車できる広さを確保し、小学校低学年くらいの子どもなら、室内で立ったまま着替えなどができてしまうほど、室内空間が広いのだ。
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もちろん、車高が高くなったことで運転席の視界も良好。ドライバーは遠くまでしっかりと見通すことができるようになるため、ゆとりある運転が可能になるだろう。
加えて昨今、生活の足としてだけでなく、需要が増加する軽自動車のレジャー用途など、多くのシチュエーションに対応できる工夫が随所に見られる。釣り、登山、スノボ&スキー、キャンプやBBQ、サイクリングなど多種多様なレジャーに対応。驚くべきことに、前輪を外していない大人用のロードバイクを、2台もそのまま車内に入れて運ぶことができるのだ。
通常こういったロードバイクは、普通自動車でも車内に入れて運ぶ場合、前輪を外すのが一般的だが、ダイハツの新型車ではその手間がない。しかも2台も入る。これは驚きだ。
こうした荷物の収納はもちろん、シートをフラットにすれば大人2人が余裕で仮眠もできてしまう。車中泊などもお手の物。軽自動車の現行規格は、全長3400mm以下、高さ2000mm以下、幅1480mm以下と決められていることを考えると、ダイハツの新型車は高さが1835mmもあり、規格ギリギリに近いぐらいまで、車高を高くしていることがわかる。最近の軽自動車に乗ったことがない人は、きっと「これで軽自動車なの?」と思うはず。軽自動車=小さなクルマというイメージはどこにもない。
実際の乗り心地は試乗してみないとわからないが、車高を高くしても安定して走れる工夫がなされている。重心を下げるために、屋根の厚みを見直したり、外板に樹脂を使ったりして上部の重量を軽減。サイドミラー周辺やテールランプの空力フィンで直進安定性を高める工夫も施されている。
今後、軽自動車税や消費税率の再度の引き上げで、再度駆け込み需要が発生する公算は大きい。そんななか、この“ウルトラ軽”は市場にどう受け止められるのか? 11月の発表が楽しみだ。 <取材・文・写真/日刊SPA!取材班>