にもかかわらず、ハマスがイスラエルへの「勝利」を宣言しているのは、体面を失って弱体化すれば求心力を失う恐れがあるためだ。
今後の協議では、エジプトとガザを結ぶラファハ検問所の通行を緩和する条件として、ハマスとライバル関係にあるパレスチナ自治政府主流派ファタハの治安部隊が同検問所を監視下に置くことなども検討されるとみられている。
その場合、2007年の軍事制圧以降、ハマスが保ってきたガザ支配が揺らぐ可能性もあり、和解協議が進むファタハとの力関係への影響も避けられない。ハマスにとっては、むしろこれからがガザの「統治者」としての正念場となる>(8月27日のMSN産経ニュース)
ガザ地区をファタハが実効支配するようになれば、イスラエルとパレスチナの現実的な和平交渉が可能になる。このような状況をいかなる対価を支払ってもハマスは阻止することを考えるであろう。ハマスにとって頼みの綱は、スンニー派の原理主義過激派「イスラーム国」(IS)が、イラクとシリアで影響力を拡大していることだ。