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【プロ野球】

星野監督ラストゲーム 東北に愛され戦場から去る

2014年10月8日 紙面から

セレモニーで球場を一周する星野監督=コボスタ宮城で(戸田泰雅撮影)

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◇オリックス3−2楽天

 オリックスが19年ぶりに80勝に到達した。延長10回、駿太の適時二塁打と安達の右前打で2点を勝ち越した。平野佳がパ・リーグ新記録の40セーブ目。楽天は則本が10三振を奪い8イニング1失点だったがチームは7連敗で最下位に終わった。

    ◇

 今季限りで退任する楽天の星野仙一監督(67)が7日、本拠地コボスタ宮城であった今シーズン最終戦のオリックス戦で、監督生活に通算17年目で終止符を打った。試合には球団史上最多の2万6236人が集まり、闘将の最後のユニホーム姿を目に焼き付けた。チームは延長の末に2−3で敗れ7連敗。昨年の日本一から一転、最下位が決まった。監督通算成績は2277試合、1181勝1043敗53分けだった。

 さらば、闘将−。今季限りで辞任する星野監督のラストゲーム。楽天就任4年目で初の最下位が決まった試合後、満員のコボスタ宮城は照明を落とした。監督人生に幕を下ろす引退セレモニー。目を潤ませた指揮官が感謝を十分に詰め込み、マウンド付近から声を張り上げた。

 「イーグルスの監督になって、本当によかった! 最高に幸せな野球人生を送れました」

 東北に根を下ろして4年。長い戦いが脳裏に浮かぶ。東日本大震災に始まり、昨季はリーグ制覇と日本一。「時間が止まってほしいと思ったくらい、うれしい瞬間だった」。ただ、今季は黄色靱帯(じんたい)骨化症などで一時戦列を離れた。星野楽天は初の最下位に沈み、潔くその責任を取った。

 中日に40歳の青年監督が誕生したのは87年だった。愛情に恩情、鉄拳に非情。相反する『心』を巧みに使い分ける人心掌握術は球界随一。中日、阪神、楽天で指揮を執り、3球団で4度のリーグ優勝を成し遂げた。

 選手、コーチとして星野監督を近くで見てきた仁村チーフコーチは「最近は手も足も出なくなったね。でも、内面は何も変わっていないな」と笑う。指揮官にとっても、これ以上は望めない監督生活だった。「人生、3割良いことがあれば合格だよ。俺は五分五分だと思う。出来すぎだ」

 もうユニホームは着ない。通算2277試合。プロ入り当時の「22」と監督退任時の「77」。2つの背番号を合わせた数字が数奇に並んだ。「本当にみなさん、ありがとう! サヨナラ!」。万雷の『星野』コールに送られ、闘将は『戦場』に別れを告げた。 (井上学)

 

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