終戦記念日対談
金子兜太さんといとうせいこうさんが「俳句」から戦争と平和を語り合います
【社会】自衛官募集に個人情報 自治体71% 積極提供防衛省が自衛官募集のダイレクトメール(DM)を郵送するため、住民基本台帳に記載されている適齢者の名前、生年月日、性別、住所の四情報の提供を求めたのに対し、全国の千七百四十二市町村・特別区(三月末現在)のうち、約71%に当たる千二百二十九市町村・特別区が積極的に情報提供していたことが分かった。 (編集委員・半田滋) 安倍内閣が七月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定した直後、高校三年生の自宅に自衛官募集のDMが一斉に届き、インターネット上で騒ぎになった。国による個人情報収集の是非が問われそうだ。 防衛省から資料を入手した阿部知子衆院議員への取材で明らかになった。二〇一〇年三月末当時は、全国千七百二十七市町村(特別区を除く)のうち、情報提供したのは七百四十四市町村にとどまり、約43%だった。四年間に30ポイント近くも増えたことになる。 情報提供の内訳は(1)紙媒体での提供(五百六十五カ所)(2)適齢者を抽出した住基台帳の写しを閲覧(防衛省職員が書写、六百六十四カ所)−の二通りがある。 情報提供している市町村などは、自衛隊法などが定めた自衛官募集事務への協力の一環としている。しかし、住基台帳法は「閲覧」を認めているにすぎず、(1)の紙媒体の提供や(2)の抽出した写しの閲覧は規定しておらず、防衛省への過剰な情報提供となっている。 積極的な情報提供といえないまでも、住基台帳の写し全部の閲覧を認め、これを防衛省職員が適齢者を選んで書写する市町村が五百一カ所あった。提供も閲覧もなされていないのはわずか十二カ所だった。 住基台帳法は「住民の利便性増進」と、これによる「国・地方自治体行政の合理化」を目的に住基台帳を作成すると定めており、自衛官募集に利用されることを想定していない。若年層の採用を競う民間企業は閲覧を許されておらず、自衛官の募集事務だけが厚遇されている。 適齢者は満十八歳の高校三年生に限らず、陸上自衛隊高等工科学校が受験できる満十五歳を迎える中学三年生も含まれている。防衛省人材育成課は「判断能力に欠ける中学三年生にDMは出していない。ただ保護者に働きかけるのに必要なので収集している」という。 住基台帳を活用した自衛官募集を批判している阿部議員は「自衛官募集に住基台帳の情報を提供することは法の趣旨に反する。個人情報が本人の承諾もなく、国に提供されており、許されない」と話している。 PR情報
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