女人禁制! 男子漫画家ゲーム対談 浅野先生 X 押切先生

浅野先生と押切先生がファミコン好きが集まる新宿の、とあるバーでゲーム対談真っ盛り。第2回のスーパーファミコン話に続き、アーケードゲーム話から脱線しつつ大人の階段登っていくよー。

  • 浅野いにお先生
  • 1997年、「スピリッツ」でデビュー。『おやすみプンプン』最終章連載中。PS3のIDで「PUNPUN」が取れなくて悲しかったとか。「PUNPUNPUN」もダメで余計悲しかったとか。
  • 押切蓮介先生
  • 1997年、「週刊ヤングマガジン」でデビュー。現在「ビッグガンガン」にて『ハイスコアガール』連載中。ゲームのことを漫画にしたらこの人な今回の特別ゲスト。
聞き手/中村なかむー(ゲームライター) ▲新宿のゴールデン街にある、ファミコン好きが集まるバーをお借りして、対談しました。

~第4部「大人の余裕! 次世代ゲーム機編」~

――:さて、プレステ話いきますか? プレステ派とサターン派でけっこう二手に分かれるとおもうんですけど。値段的にも。

浅野:押切さんはどっち買いました?

押切:僕はサターンです。

浅野:僕もサターンなんですよね。

押切:…でもその後、すぐにプレステに浮気しましたけどね!(笑)プレステにはホラーゲームとかあったんですよ。あの「クーロンズゲート」とか「トワイライトシンドローム」とか。そっちの方に僕は興味をもっていかれちゃったんですよぉ!「MYST」とかもねぇ。けっこうサターンでもマルチで出てましたね。

浅野:時期的にはサターン版「MYST」の方がちょい先でしたね。あの時って「バーチャファイター」が出て、その後に確か「デイトナUSA」が出る予定だったんだけど、なかなか出なくて…。その間にプレステが発売されて「リッジレーサー」出しちゃって「鉄拳」とかも出しちゃって。明らかにそこで、プレステに全部もってかれたんですよ。

押切:もってかれちゃいましたね。

浅野:性能的にそこまでの差はなかったはずなんですけど。明らかにこう…。戦略のミスで…。あ~負けた~…っていう。「FFⅦ」で決定的になったけど、それ以前からね、ちょっと計画をミスっているというか。

押切:そうそうそう。

浅野:早く「バーチャファイター2」出さないとヤバいヤバいと思ってたんだけど…。うーん、思いっきり負けましたね。

押切:そうそう。「バーチャ2」ぐらいでしたよね「デイトナ」とか、セガサターンの強みって。

(※編集部注:どちらも1995年発売)

――:「バーチャ2」がサターンの全盛期でしたね。「ヴァンパイア ハンター」の移植もサターンでしたっけ?

押切:そうですサターンです。というか(当時のハードでは)サターンでしか出てないです。格闘ゲームとかに特化してるのがサターンという印象で。

浅野:そうですね。2Dの描画に強くて。

押切:「ストリートファイター リアルバトル オン フィルム」とかもねー、最初サターンなんですよ。

(※編集部注:サターン版が1995年8月11日、プレステ版が1995年8月12日。た、、、確かに1日早い!)

浅野:そうなんですか。

押切:その後プレステで出てくるんですけど。それでね「ハイスコアガール」で恋愛要素ができるんですよ。そのサターン持ってる子とプレステ持ってる子でね、駆け引きができるんですよ。何がソフト最初に出て、後に出るかでねぇ。結構、面白いことができる。

浅野:うん。

押切:でもプレステの方が思い入れがありましたね。サターンはもう、すぐにホコリかぶっちゃって。だから「ヴァンパイアハンター」ぐらいしか思い出がなくなっちゃって。

――:サターンはパワーメモリーのセーブデータがすぐ消えましたしねぇ。

浅野:消えますねぇ。

押切:プレステは(ディスクを)読み込まなくなるっていう。最初のPSのロゴで止まるんですよ。シャラローン♪ってところで。…あれが鳴らないんですよ。

――:やっぱりそこから、プレステ本体を縦にしたり?

浅野:そう。なりますよね。

押切:最終的には僕は、クルクル本体を回してましたよ! 絶妙な感じで!(笑)

――:裏返しにしたりとか…。あれってなんで全国的に伝わったんですかね?確かに読み込むんですよ。

押切:きっと、癇癪かなにか起こしたんですよ。で、ひっくり返したら「あ、読み込んだ」って。そして、この本体がいけないんだって言って、裏っ返したり、横にしたりとか。斜めにしたりとかして。

――:2人がプレステで一番ハマったゲームはなんですか?

押切:まぁ、1990年代だと「夕闇通り探検隊」。で、「トワイライトシンドローム」。ヒューマン系のゲームを。

浅野:いわゆるホラー系のゲームを? アドベンチャーの。

押切:アドベンチャー系のホラーゲームですね。メチャクチャハマりましたねぇ。

浅野:その時はアクションゲームから、結構離れてたんですねぇ。

押切:結構離れていましたね。

――:アクションはアーケード方面だったのかもしれませんね。

押切:あとは「デザエモン+」とか。

浅野:「デザエモン+」やりましたねぇ。

押切:あと「DEPTH」。

浅野:あ、「DEPTH」!

押切:そっから音楽とかに、音楽を作るゲームにハマり出したんですよね。

浅野:でも「DEPTH」って…

押切:「DEPTH」ってよく知ってますね!?

浅野:あんまり有名なゲームじゃないですよね。

押切:絶対知らないと思ってた。

浅野:「DEPTH」と、あと(マキを)斬るだけの「グルーヴ地獄Ⅴ」とか。あれも一応音楽要素あったじゃないですか。

押切:あれもちょっとね、石野卓球の好きなフレーズを集めただけみたいな(笑)

浅野:そうそう(笑) それを組み合わせて遊ぶだけ。

押切:そうそうそう(笑)

押切:でもクソゲー自体結構面白かったですよね。

浅野:あの頃はいろんなジャンルを模索しているゲームが多いんですよ。やっと3Dで、こう可能性が増えて。それで試せるゲームがちょいちょい出てきて。で、あのころのSCEが出すゲームってかっこよかったじゃないですか。「IQ」とか。あーゆー、パズルゲームとかわりとやってて。

押切:ヘッヘッヘ(笑)

浅野:ゲームやってるけど、ダサくない!みたいな。言い訳をしたくて。

押切:スタイリッシュな。

浅野:そうですねスタイリッシュでしたね。それで高校の時にすごいやってたのは「ワイプアウト」というレースゲームで。あれもなんかテクノの曲が流れていて、ザ・プロディジーの曲とか流れながら未来の世界をこう、やるみたいなやつを…こう……孤独にやってましたね。

押切:ふふふっ(笑)

浅野:誰にも共感されないで1人で…(笑) でも「俺は、シャレてる!」っていう(笑) ほかにも「パラッパラッパー」とかね、あれもなんかまぁ、女の子ウケもよさそうじゃないですか。別に女の子に見せたことないですけど(笑)

押切:アハハハハ(笑)

――:イメージトレーニングはしてるという。

浅野:そうそう(笑)

押切:「ビートマニア」とかも流行ったよね。プレステであったし。

浅野:「ビートマニア」とか、あの頃はコンビニでゲーム買えるようになったりとか。

――:デジキューブですね!…いつの間にかなくなりましたけど(笑)

浅野:フフッ(笑) フワァ~っとなくなりましたね。あの頃はCDになったから、流通もしやすくなって、買いやすくもなって。今でもすごい覚えてますよ。大学入試の時に「FFⅧ」の発売日で…。僕、入試の会場で、説明書読んでましたからね!

押切:アッハッハッハッ(笑)

浅野:行きのコンビニで「FFⅧ」を買い、そのまま会場で説明書を読むっていう。便利な時代だなぁって(しみじみと)

押切:ウッハハ(笑)

浅野:あの頃はスーファミでちょっと(ゲームは)子供向けだったイメージのものが(プレステで)一般層に広まった感じがするんですね。ゲームやらない人もやれるみたいな。

押切:はいはい。

浅野:あの頃が一番ゲームが好きな時代だったんですけどね。

押切:高校生の時はバイトしてたんですか?

浅野:バイトはまったくしてなかったです。

押切:バイト地獄でしたよ、僕は。

浅野:何をやってました?

押切:ダイクマのバイトと、ライフコーポレーションのバイトをいっしょにやってましたね。

――:そこでレジとかを?

押切:いやいや、品出しのほうでね。日用品の品出しをね。

浅野:それのバイト代は全部ゲーム系に消えていくという?

押切:ほとんどですよ! ゲーム系に。だからNEO-GEOが値崩れした時に、1万4800円ぐらいだったんで。「真サムライスピリッツ」のソフトが280円に売られるようになってて。

浅野:なんだか、とんでもない値崩れしてましたね。

押切:そうそうそう。「餓狼伝説スペシャル」とか980円くらいで(笑)

浅野:あれはなんでだったんですかね? 需要がなくなったんですかね?

押切:NEO-GEOもCDに移行して。僕たちだけなんでこんなにデカいんだーッ!?…って、(ROMソフトが)恥ずかしくなっちゃったんでしょうねぇ

浅野:フフフ(笑) なんだか大げさな感じがしますね。

押切:だから(ROMソフトが)ないないない!…という感じであわてて売りに出したと思うんですよ。

浅野:うーん。そっか。

押切:あの頃、秋葉原を覚えだしたんですよ。秋葉に行くってことを。そこでスーファミで洋ゲー(※洋物の、つまり海外のゲーム)ができる機器を。そして「モータルコンバット3」を買ったりとかして。だから秋葉原に行けば、いろんなものがあるって。

浅野:うん。

押切:あの時の秋葉原が一番僕にとっては輝いていたんですよ!ゲームゲームしてたんですよ。

浅野:フフッ(笑) アングラな雰囲気があって。

押切:そう。改造とかねー。で、スタンガンとか普通に売ってるんですよ。店頭で(笑)

浅野:あの頃はNEO-GEO系も、まだあって。プレステ、サターンがあって。なんかねピピン@とかね(笑)

――:ありましたねー。3DOとかも(笑)

浅野&押切:ありましたねー。

――:あとプレイディアもなぜか次世代機扱いされるという。

浅野&押切:アッハッハ(笑)

浅野:あの頃は一気にバーッと出ましたよね。ゲームボーイもねカラーになったりとか、ワンダースワンとかね。

押切:ワンダースワン…。

浅野:スワンで「FFⅠ」「FFⅡ」は出てたんですよね。

押切:あれいくらくらいでしたっけ? ワンダースワン。

――:結構安かったですよね。(※定価は4800円)

浅野:ネオジオポケットとかも出てましたよね。どれくらい売れてたのかなぁって(笑)

――:ネオジオポケットの広告のキャッチコピーが「I'm not BOY. 誰だってBOYを捨てるときがくる」だったっていう。

押切:ハハハハッ(笑)

浅野:強気だなぁ(笑)

――:まぁ売上自体が、not BOYだったっていう…。

押切:そんなにいかなかった(笑) NEO-GEO CDとかどうだったんですかね?

浅野:そういえばPC-FXはどうだったんですかね?

押切:PC-FXは…、あー手を出さなかったですね。あれソフト30本いかなかったような気がするなぁ。

(※編集部注:FXの発売ソフト本数を調べたところ62本のようです。)

浅野:見た目も完全にパソコンですからね。

押切:そうそう。

浅野:あんなシブいハード、当時はないですよ。で、プレステの時代になってストーリー+派手な演出とかもできるようになったわけじゃないですか。

押切:そうですねー。

浅野:そして「トワイライトシンドローム」とか、そこらへんは実写でね。色もキレイになって再現できるようになって。可能性がワーッと広がった感じが。

押切:広がりましたねぇ。僕は「スト2ムービー(※リアルバトルオンフィルムの略称。アーケード版が「ムービー」だったので)」でねぇ、ベガを最後に倒すとねぇ。チャゲアスのね…PVが流れるんですよ。で、ゲームでPVが見れるということで、ショックを受けたんですよ。

浅野:アッハッハ(笑)

押切:何回も何回もベガを倒してね…。チャゲアスをね…。

浅野:主題歌が流れてたんですか?

押切:そうそう。そうなんですよ。

――:「スト2」の映画で使われた主題歌がゲームでも使われてるという。

浅野:あー。

押切:これなかなか信じてもらえないです(笑) でもちゃんとしてるんですよPV。…そのうち漫画で描こうと思っているんですけどね。

浅野:うーん。

――:ゲーセンにもありましたからね「スト2ムービー」。…あんなの対戦台にしちゃいけないですよね。

押切:「モータルコンバット」のパクリなんですよ、アレ。そこあたりから「ヴァンパイアハンター」とか「ヴァンパイアセイヴァー」が出てきて。ゲーセンと家庭用ゲームで、もう大忙し!

浅野:アハハ(笑)

押切:もう、童貞丸出しですよ!!!

浅野:アハハハ(笑)

押切:女性とか…。

浅野:ほかにやるべきことがあるのに。

押切:やるべきことがあるので、青春をぜんぶゲームにまわして、もってかれちゃったっていう。

浅野:ハハハ(笑)でも「ヴァンパイア」が出た頃の2D格闘ゲームって、いまだにもうそこは完成系として、更新されてないじゃないですか?

押切:ほとんど更新されてないですね。

浅野:やっぱりあそこが完成だったと。

押切:完成系ですね。ネットとかね携帯とかそこまで普及されてなかったから。もうすごかったですよゲーセンにいる人の数。

浅野:ゲーセンの? うーん。

――:よくあれだけ人がいて、筐体に置く自分のお金がわかりますよね?

(※編集部注:当時のゲームセンターの一部では、自分がプレイする分のお金を順番に並べるという、暗黙のルール的なものがあった)

押切:あれ、なんとなくやっぱわかるんですよ。自分が何番目かってことを。把握してるんですよ。だからあとは(プレイ中の人に)死ね死ねオーラを出すわけですよ(笑)

浅野:ハハハ(笑)

――:「何20人抜きしてんだ!?」的なオーラ…。

押切:そうそう。「早く俺の順番来い!」みたいなね。

――:こいつ延々とビシャモンで勝ち続けてるよ意味わかんねぇ…みたいな。

浅野:それって自分の地域に通っているゲーセンとかの、やっている人たちとは交流は生まれるんですか?

押切:えーっとねぇ、知らない人とは…交流できませんでした(笑)

浅野:できないんですね(笑)

押切:やっぱ敵だと思って。

浅野:もう誰かは覚えてるんですか? どういう奴かみたいな。

押切:あっ、あいつだ!って思うし。なんか変な奴だみたいなね。やっぱ敵対心を持ってる方が強くてね。そこでの友情は皆無でしたね。

浅野:最初からのゲーセン仲間以外は…。

押切:そうですねー。

――:あの高校のあいつは強いみたいなのってありますよね。で、またモリガンとかで乱入してくるんですよ。

押切:わかるわかる。もう敵ですよねぇ。

浅野:ハハハ(笑)

押切:そっちのほうが面白いんですよ。仲良くなるよりはいいですしね。

浅野:それは、普段通っているゲーセン以外の、たとえば新宿で有名な人がいるとか聞いたら、そこに遠征とかもありました?

押切:やりましたよ。…歯が立たないですよ。

浅野:そうなんですか?

押切:溝の口、高津だめだなぁーって。

浅野:やっぱその時は、ここが強いよってメッカみたいなものはあったんですか?

押切:ありましたありあしたよ。渋谷のセンター街とかの。すごいメッカでしたしね。盛り上がってましたよね。

浅野:へぇ~。

押切:どこいっても並んでましたしね。

浅野:ちなみにその時のゲーセンの女の子率って、どれぐらいなんですか?

押切:ゼロですね。僕のところは。ゼロ!

浅野:ホント見たことないですよね。でもゲーセンの中にプリクラが導入され始めたじゃないですか。

押切:あー。

浅野:そこで若干こう、そこだけは来るわけじゃないですか?

押切:完全に壁ができてましたね! 別次元なんで。向こうも入ってきやしないですよ。こっちも入らないですしね。

浅野:プリクラ、UFOキャッチャーは別で。女子供の来るとこじゃないと。

押切:そうそうそう。男子便所、女子便所ぐらいの感じですよ。それぐらい分かれてましたからね。

浅野:そうですね。

押切:女の子は一人用やりますからね。まぁ確かにプリクラが出始めてから、デートのひとつの場所として選ばれるようになったかなとは思うんですよ。で、「ポップンミュージック」が出てから、だんだん女性が侵入してきやがって。

浅野:ハハハ(笑)

押切:音ゲーで女の子が入ってきましたね。

浅野:格闘ゲームしている女の子に対する萌えみたいなものはないんですか?

押切:ないですよ。

浅野:あ、ないんだ(笑)

浅野:「ハイスコアガール」が、みんな面白いって読んでいるのは、そういう萌えって実はあるのかなと。

押切:多分。あるんでしょうね。

――:「クイズマジックアカデミー」をずーっとやってる知り合いの女子大生とかいましたね。

押切:けっこうやってるんですよね女性って。

浅野:今は増えてるだろうし。若い人はもっとね。

押切:そうそうそう。

浅野:でもやっぱね。押切さんがね、ゲームやってる女の子に対してむしろ敵だと思っているというのは……ウレシイですね!

押切:ホントですか?(笑)

浅野:そうだろうなって(笑)

押切:萌えだ~ってなりませんよ(笑)

浅野:僕はねカワイイな~って思っちゃうから、そういうのは。

押切:はいはいはいはい。

浅野:頑張って男の世界にこう、踏み込んできてきたところに対する萌えみたいな。

押切:でも実際、本当に強い人に当たってボコボコにされた経験は、あるんですよ。

浅野:うん。

押切:ほーんと悔しかったからですねぇ。

浅野:それは女性に?

押切:そう女性にやられちゃうんですよね。

浅野:あー、それは悔しい。

押切:絶対負けるもんか!と思うんですけどね。もーのすごい強くて。

浅野:なるほど。

押切:…ま、だいだいそういう人はだいたい彼氏と一緒にいたりするんで、安心できるんですけどね。

浅野:はいはい。ちなみになんか、たまに見かける彼女を横において格闘ゲームやってる、なんかいいとこ見せてやる的な男ってどう見えるんですか?

押切:うーん…そこは『ピコピコ少年』やら『ハイスコアガール』でかなり書いているんですけど。

浅野:うん。

押切:負かしたいなっていう気持ちもあるし。でも、なんか別次元の人たちなんで。

浅野:あー。

押切:セットで考えてる。だから羨ましいなとも思わないし、こいつボコボコにしてやるぜってとこまでは…。

浅野:あ、じゃあ関係ないと。

押切:そうそう、2人でひとつみたいな。そーいう雰囲気(笑)どっちも倒せたらスッゲーうれしいけど(笑)

浅野:フフフ(笑)

押切:でもなんか変な男尊女卑みたいなところはありますよね。女に負けてたまるもんかとか。

浅野:でもね最近すごい思うんですけど。押切さんすごいゲーム上手いじゃないですか。僕はね、格闘ゲームはほとんど全部やってるはずなんですよ。でもいまだにね、波動拳が出せなかったりするんですよ(笑)

押切:ハハハ(笑)

浅野:これはなんなのかなって思って。闘争心のなさというか。あるなしだと思うんですよね。

押切:意地が悪いか悪かないかっていう。

浅野:本気で勝ちたいわけじゃないですか。

押切:そうそうそう。

浅野:そこがねぇ、だめなんですよ。

押切:(相手を)キレさせるためにやるとか?

浅野:あー、そういうのがないんですよ(笑) 楽しくってなっちゃう。

――:押切さんは。ゲーセンの対戦台で、向こうのが怒って台を蹴っているのを見て喜ぶタイプですね。

押切:そう、喜ぶタイプです(笑)

浅野:フフフ(笑)

押切:この前も「ヴァンパイアリザレクション」のオンライン対戦をやって、PS3ってメールのやり取りができるじゃないですか。あそこで「EAT ME!!」ってきたんですよ(笑)

浅野:うん。

押切:まぁ、クソッタレ!って意味なんですけど(笑)

浅野:アハハ(笑)

押切:外国人をねぇ、思いっきり怒らしちゃったりとかね。懐かしい感じで、ちょっとうれしかったですよ。

浅野:そうなんですね。

――:外人は素直に文句言ってきますからね。クソ野郎!みたいな。

押切:すごいですよね。「コールオブデューティ」の世界大会。あれ見ました?世界大会なのに、ひどいもう(笑)

――:勝ったら相手の席まで罵りにいくっていう。チーム全員が。で、次のラウンドが始まったら席に戻っていくという。

浅野:アハハ(笑)

押切:罵声とかね、罵詈雑言ですね。

浅野:そうなんですね。

押切:民度の低さがわかりますね。ゲームに対しての。

浅野:へぇー。でもね、だからこそ強いんだろうなって思いますね。

――:相手を気遣わないっていう。

押切:そうそうそう。でも仲間同士の統率感っていう、絆が結構深いんですよ。

浅野:仲間に対するそれはあるんですね。

押切:でも、僕は自分の内なる悪意がヴァーって出ちゃう!

浅野:フフフ(笑)

押切:ゲームってね、そういうの引き出すの上手いの!

浅野:アハハ(笑)

押切:だからね、癇癪起こしちゃうんですね。俺が「えー、なんで!? なんで!?」とかわめいていると、うちの奥さん、後ろで呆れかえってますからねぇ。

浅野:フフッ(笑)

――:動画で「キーボードクラッシャー」とかありましたね。

押切:みんなそうですよ! だいだいみんなそうですよ!

浅野:フフフ(笑)

――:あれもFPSのゲームをプレイしているらしいですね。浅野さんはゲームで熱くならないんですか?

浅野:ならない。勝てないけど…。うーん、落ち込むだけですね。

押切:それはストレスたまりますねぇ!

浅野:そうなんですよねぇ。

――:じゃあゲームでストレス発散というのは、あまり?

浅野:発散できるゲームを選んでいるつもりなんですけどねぇ。うーん。やっぱ面白いゲームって、対戦になっちゃうから。でも、勝てないんですよねぇ。今「バトルフィールド3」をやっているんですけど、まったく勝てないんですよ。

押切:勝てなくても別にいいやっていう?

浅野:ゲーム自体がすごいよくできているから、勝てなくても面白くはあるんですけど。勝てりゃもっと面白いんでしょうけど。

押切:なんか勝負魂みたいなのは? ないんですか?

浅野:ないんですよねぇ。

押切:漫画に対してはどうなんですか?

浅野:えっ!?

押切:漫画に対しては?

浅野:漫画に対してはかなりありますけどね!

押切:コイツには負けねぇ、みたいな。

浅野:ゲームはみんな、自分の思い通りにできないからあきらめているんですよ(笑)

押切:ウハハハ(笑)

浅野:漫画のほうが思い通りにできますからね。

押切:ゲームのほうがすごい(笑)

浅野:でもね、生まれ持ったセンスってあるんだなって(笑) ゲームに関しては。

押切:漫画って勝てない人には勝てないですよ。壁があるんですよ。

浅野:あー。

押切:その人に勝つには、もう暴力しかないです!

浅野:ハハハハ(一同笑)

押切:だから×××××先生とかね。

浅野:力だったらねぇ(笑)

押切:「○○○」の△△△先生とかねぇ。ホントにねぇ、ぶっ殺すしかないんですよ!(笑)

浅野:ハッハッハ(笑)

押切:でもね、ゲームだったら成長したりして、なんとか勝てる可能性があるわけじゃないですか。

浅野:そうかなぁ(笑)

――:ちょっと前に出た本で「世の中はクソゲーだ!」っていうのがあって。ゲームはちゃんと段取りを踏んで、努力をして時間をかけて成長ができると。でも現実世界はどうにもならないので、なんとクソゲーなことかという。

押切:それ、今僕が言っているのと同じ感じですね。(現実は)クリアできないんですよ。

浅野:フフフ。

押切:現実の漫画対決では勝てないんですよ。倒せない敵がそこにいるんですよ!

浅野:ハハハ(笑)

押切:クソゲーなんですよ!

浅野:そうですねぇ。現実の方が不条理なことが多いですからねぇ。

押切:そりゃ「マリオ」でクッパが倒せなかったら「クソゲーだよ!」ってなりますよ。

――:だいたい現実はクソゲーです。

押切:だからSMAP……なんで俺、SMAPって言っちゃったんだろ(笑)

浅野:アハハハハ(笑)

押切:そういうね、トップのアイドルたちに勝とうと思ってもなかなか勝てなかったりするわけじゃないですか。

――:逆にSMAPの人がゲームの「ヴァンパイア」やってボコボコにされていたり。

押切:そうそう昨日「ヴァンパイア」でねぇ、1万人中の1位の人と戦ったんですよ。

浅野:ほぉー。

押切:次元が違いすぎて、辞めたくなりましたね!

浅野:アハハハハ(笑)

押切:こんなに強い奴がいるんだったら、やってる意味ないなって思ったんですよ。僕もね1万人くらいの中で100位なんですけど。

浅野:それでもやっぱり違うと?

押切:全然違いますねぇ!

――:押切さんも強いじゃないですか。質が違うなぁって。

押切:また今度もしましょうよ。その質が違うのより、もっと質が違うんですよ。

浅野:アハハハハ(笑)

押切:ってことはゲームもクソゲーなんですかね(笑) うまくいかないもんだね。

浅野:でもねーやっぱオンラインのね、今なんでもランキングが見えるようになって、あれもモチベーションの一つになるけど、逆に絶望にもなる(笑)

押切:絶望ですよ、あれは。上には上が。

浅野:絶対1位になれないぞっていう。

押切:オンラインだと時間がわからなくなってくるんですよ。人と意思の疎通をしてるから。でも格闘ゲームは意思の疎通をしてないのに、あっというまに5時間くらいたっちゃう。…すいません(ゲーム機の話が)、現代になっちゃいましたね(笑)

――:一気に20年ぐらい進んで(笑) プレステのときはまだオンラインないですよね。

押切:ないですねぇ。

――:ドリームキャストでモデムが内蔵されて。電話回線を使って。

押切:電話回線で、お金がかかるやつ(笑) テレホーダイ、懐かしいですねぇ。ICQとか。ちょうど僕が、童貞を捨てたくらいの時ですよ。

浅野:ハッハッハ(笑)

押切:思い出深いですよ(笑)

浅野:いつぐらいからインターネットってやってました? 

押切:1998年くらいからですかねぇ。

浅野:結構昔からやってますね。

押切:結構早いですよ?「ディアブロ」というオンラインゲームがあって。あれをやりたくてしょうがなくて。テレホーダイで、11時から朝まで。ずっとやり放題っていう。ずーっとやってましたねぇ。

浅野:あれって日本人とやるんですか?

押切:日本人もいたし、外国人もいたし。たいてい中国人とか多かったですけど。

浅野:そうかそうか。

押切:そういうのにも…罵倒されましたね!

浅野:フフフ(笑)

押切:○ァック! ○ァック! ○ァック!ってすごいですよ。

浅野:本当、ゲームってすごいですね(笑)

押切:あの日本人ともけっこうやるけど、そこまでじゃないですよ。

浅野:あぁ、外国は特に。

押切:外国人はすぐに自分の思いを伝えてくるんですよね。ムカツク!っていう気持ちを。

浅野:直情的なんですね。外国人は。

押切:浅野さんはウィンドウズ95はいつぐらいに買ったんですか?

浅野:それ自体は95年ぐらいに買ったんですけど、インターネットを始めたのはスッゲー遅くて(笑)

押切:あー、遅いんですか?

浅野:2006年ぐらいに。それまで回線なかったんですよ。

押切:すごいなぁ(笑) パソコンはあったんですよね?

浅野:パソコンはずっともってました。

押切:何やってたんですか? パソコンで。

浅野:本当にフォトショップ使う専用で。

押切:そうなんですねー。

浅野:ネットやるの遅くて。人とコミュニケーション取りたくないからなんですけど(笑)

押切:あー。

浅野:でもドリームキャストとか出て、そういうね。ネットワークでどうこういう。 プレステ2も「マルチマッチングBB」もあって。

押切:だからか。浅野さんのツイート見てると、たどたどしいっていうか。

浅野:そう、ネット慣れしたくないんですよ。

押切:してない感じが伝わってくるんですよ。

浅野:ネットスラングとかね、絶対使わない(笑)

押切:なんだかわかる(笑)

浅野:wは絶対使わない。

押切:wwwwwって草はやすやつですね。内容は(笑)だったんですけどね。こう(爆笑)とかね。じゃあICQとか、メッセンジャーとか、使ってなかったんですね。

浅野:そうなんですよ、そこらへんの知識がなくて。

押切:そういうの楽しかったですけどね。

浅野:2ちゃんねるとかも見ましたか?

押切:当時は、うーん。

――:ドリキャスの時はセガBBSがあって、なかなか地獄絵図でしたよ。無法地帯で。2ちゃんねるができる前はそういうBBSが主流で。で、セガのBBSなのでやっぱり、サターン派にプレステとか叩かれるわけじゃないですか。今の、ハード論争に比じゃなかったです。

浅野:ああ、そのころからハード論争みたいなのはあったんですか(笑)

押切:へぇー。

浅野:なんなんですかね? あの、自分のハードのライバル機を叩くというのは。

押切:ハハハ(笑)

浅野:両方買えよって思う。

押切:価値観の違いだね。

――:サターン買った奴が、いかにプレステとスペック違うかって1時間ぐらい聞いたことあります。

浅野&押切:ウハハハ(笑)

浅野:そりゃあね、みんなやりますよ。スペック表並べますよ(笑)

押切:そうそう。

浅野:最初にサターン買っちゃったから、そっちのほうが優れてるって思いたい。

押切:………。一時期、僕ゲームを卒業したんですよ。

浅野:えっ、やらない時期が?

押切:やらない時期を作ったんですよ。漫画家目指し始めてて。

浅野:はいはいはい。

押切:もうこれやめようって、1998年の3月に高校を卒業して。そこからね、ずっとゲーセンで一緒に遊んでた仲間たちがね、パチスロのほうにいっちゃって。

浅野:あー。なるほど。

押切:ゲーセンの延長戦ですよ。それで、ちょっとついていけないなって思って、パッと断ったんですよ。もうゲームを全部友だちにあげちゃって。そこから漫画を描きはじめて。

浅野:うーん…。

押切:………2年ももたなかったですけどね!

浅野:アハハハハ(笑)

押切:プレステ2が出ちゃって。すぐ傾きましたね。

浅野:あー。

押切:また復活しましたよ!

浅野:そうですか。じゃあスロットは全く別物と。

押切:全く別物です。あれはちょっと違うなぁと。ゲーム性がちょっとね。

浅野:目的が違いますからね。

押切:破滅するかもしれないじゃないですか。

――:すると過去のハードは買いなおしたんですか?

押切:過去機は、その山田君っていう友だちがいて。その人の家に全部あるんですよ。で、来週ぐらいにちょっと『ハイスコアガール』のファンブック用に、「俺が全部これを持ってるんだ!」という証拠を撮りに…。そういう企画が控えてます。今は、今どきの次世代機しか持ってないですけどね。プレステ2、プレステ3、Xbox、Wii。なんかね、それを『ピコピコ少年』で描いたらね、「リア充だ! リア充だ!」って(笑)こういうリア充もあるんだなぁーって。

――:ゲームのハーレムで、ゲハ充ですね(笑)

浅野:大人になったら、そんなに高くないですからねぇ。

押切:そうそうそう(笑)

――:ほかに無駄遣いしなければ買える範囲なんですよね。

押切:つかね、浅野さんとかってお金の使いかたどうしてるのかなって。

浅野:使い道ないから…ゲームしかないんですよ(笑)

押切:アハハハハ(笑)

浅野:ゲームだけだと、お金かかんないんですよ。

押切:そうそうそう。

――:大人の趣味としては全然…。昔のゲームのアーカイブとか安いもんですよ。

押切:そうですよ。

――:車1台買ったら、どれだけゲームできるのかと。

浅野:ホントそうですよねぇ。

押切:車乗らなそうですよねぇ?

浅野:僕は乗らないです。免許も持ってない。

押切:僕も乗らない。免許も持ってない。なんか共感できるなぁ~(笑)

浅野:フフフ(笑)

押切:本当は乗りたいんですよ。でも、俺が乗ったら癇癪持ちだから。

浅野:あ、ヤバい?

押切:事故る可能性がありますから。

――:若干ドリフトとか決めて「首都高バトル」みたいな。

押切:助手席に座ってても俺、人が変わりますからね(笑)

浅野:ハハハハ(笑)

押切:フフッ。ゲーム脳だから(笑)

浅野:僕もねぇ、ゲーム感覚で運転するだろうから(免許を)取っちゃだめだなぁって(笑)

押切:ふふふっ(笑) そうそうそう!

――:この2人でドライブするシーン撮ってみたくなりました。

押切:メチャクチャ危険ですよ(笑)

浅野:なんかねレースゲームのスピードに慣れてるから、どんなカーブでも曲がれんじゃん?って。

押切:そうそうそう。

浅野:ドリフト決めればOKみたいな(笑)

押切:そういえば「バイオハード」もあったね。プレステでハマったのは。

浅野:あー。

押切:一番もっていかれたかな?「バイオハザード」が一番最初に買いたかったんですよ。

浅野:そうかそうか、ホラーですしね。

押切:ゾンビが出るって、その前に「アローンインザダーク」ってあったんですけど。「バーチャファイター」よりも(ポリゴンが)ひどいっていう。それよりも「バイオハザード」でしたね。買いました?

浅野:買いました買いました。でもあれ、難しかったですよね?

押切:そうかな~?

浅野:僕、クリアできなかったんですよ。なんでその場でグルグル回るのかな~って。

押切:すぐ順応しましたよ。こうやって壁沿いを歩いちゃうんでしょ?(物真似しながら)

浅野:そうそう。あれもアクション要素やシューティング要素もいれつつ、アドベンチャーでもあり、ホラー要素があって、演出があってね。結構、当時の最新技術を使った、ある意味一つの答えっていうのがね。

押切:そうっすね、アレよかったですよぉ~。

浅野:あとカプコンってちゃんとしたものを作りますよね。

押切:そうそう。面白いんですよ。心も広いしね。

浅野:フフッ(笑)

押切:漫画でいくら使っても全然怒られない。

浅野:ハハハハ(笑)

――:では一番好きなゲームメーカーは。

押切:中学生時代はナムコ。高校の時は完全にカプコンですよ。んで、今は洋ゲーの方にもね。

浅野:あー。僕も基本的にはカプコン。カプコンはなんか大丈夫だなっていう。

押切:そうそうそう(笑)

浅野:それなりにアクションが面白いとか。

押切:でもあんまり、メーカーとかで分別はしないですよ。面白いものは、面白いので。

浅野:うーん。まぁ今はね、洋ゲーのほうがクオリティでいったらね。

押切:悔しいけど、洋ゲーっていいんですよ。

押切:「デッドスペース3(※過激すぎて日本版は未発売)」流行りました?

浅野:やってないです。それはホラー系なんですか?

押切:やってないんですか!? ぜひ、やってください。

――:何の前情報もなしで、やらせたいですね(笑)

押切:そう、マジでやらせたい!(笑) え、「バイオハザード4」はやりました?

浅野:えっと「4」はやってないです。「5」はやりました。

押切:「5」はどうでした?

浅野:面白かったですよ。簡単だなーって。

押切:それこそ「デットスペース」をやってください(笑)

浅野:売ってるんですか? パソコンですか?

――:PS3とかXboxで出てます。でも過激すぎて、日本では未発売なんですよ。アジア版とかで買うしかないです。

浅野:そうなんですか。

押切:基本英語ですけど、攻略サイトもありますし。

――:字が読めなくても、行き先が表示させたりできて親切ですから。

浅野:そっか。ちょっとやってみますわ。

押切:そうえいば、休みの日とか何やってるんですか?

浅野:えっと………ゲームを。

押切:ウハハハハハハハ(笑)

最後はスーパーファミコンの「スーパーマリオ」カートで勝負!おばけ沼で対戦をして、堅実なプレイで浅野先生が勝利!!
…ゲーム話はまだ尽きないものの、時間がきたのでいったん終了。マリオカート対戦でハッスルした押切先生が、浅野先生宅に乱入して試合続行!? ご好評にお答えして特別に番外編へ続くよ~!
第1部「祝!30周年ファミコン編」
第2部「ファミコン少年、スーファミに出会う編」
第3部「思春期突入!アーケードゲーム編」
第4部「大人の余裕! 次世代ゲーム機編」
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