僕が初めてオフィシャルな場でうんこを漏らしたのは幼稚園児の頃だった。
幼稚園でいつものようにレゴブロックで遊びながら、帰りのバスを待っていた。
その際、急にただならぬ便意を催してきて、当たり前のようにぶちまけた。
数分後、周りの子供が「くさいくさい」と騒ぎ出し、先生は子供一人一人を調べ出した。
実際自分でもとてつもなく臭いと思った。
ぶちまけたのが僕だとばれるのは時間の問題だと悟った。僕は観念して先生の前に躍り出た。
そして僕は何事もなかったかのように先生に促されるままに着替えて、バスで帰宅した。
隠し通せるものじゃなかった。やってしまったものは仕方ない。そうするしかなかった。
何気ない昼下がりのはずだった。
しかし次の日から周囲の様子が違っていた。
皆、僕を避けるのだ。
バスに乗っている時も、皆僕を避けて座っていた。まるで僕そのものがうんこであるかのように。
僕は孤独だった。
あの日を境に僕は孤独なうんこマンになったのだった。
でも、僕は何も変わっていない。変わったのは周囲の人間だ。
灰色の毎日が待っていた。同時に初めて人間の本質を感じた瞬間でもあった。
誰一人僕の為に暖かい涙を流してくれる人はいなかった。