こうした打算の強い功利的な人々は、機を見るに敏感であり、、世の中からは抜け目のない人間であるとか、腕利きの才子とか機略縦横の策士とかということで、世間の賞賛を受けることもある。
実利から実利へと身を翻して、主義や主張、信念とかには関心がなく、縦横に世の中を泳ぎまわるので、その間には、うまい儲け口にありついたり、上手にとりいった上司に引き立てられて、トントン拍子に出世したりもするものである。
また自分の計画が図にあたって事業に成功を収めたりもする。
このような人たちは、義理人情や優しさや労りなどの価値を置く人たちが、こつこつと地道に積み上げていくよりも、とかく目立つ華やかな姿に見られるものである。
しかし一見、華やかなこのような人たちは、策士策に溺れ、才子才に倒れるという危うさを常に持ちながら生きているとも言えるのである。