彼ら彼女らは、自分の実利にかなわなければ、義理、人情、恥、外聞、あるいは道徳、良心などという人間の飾りは何の意味もなくなるのである。
それはいつでも捨ててしまって、差し支えないものの中に入っている。
しかしそれらが実利の中に入っていれば、これほど都合が良いこともないのである。
そうなると実利によって、自分の立場や主張や意見や見方をコロコロ変えられる。
それは実利のみが真実だと思っているからで、その他のものがいくら変わっても関係がないのである。
自分は何ら変わってはいないということである。
それらはいつでも捨てても良いものだからである。