功利的打算的な性格の人間は、その卑しくて冷たい心のゆえに、他の人間を不幸にし、苦しめることになる。
そうなるとその報いを受けることになり、結局は自分も不幸と悲劇の主人公となるのである。
その不幸の第一歩は、純粋な誠意と好意を蹂躙された人たちの反感と呪詛と反撃の思いを常に背中に背負って生きていかねばならないことである。
この性格の人は、内面では人間を実利と便宜のための一つの手段、あるいは道具と考えて、相手を利用することばかり狙っている。
そうなると他の人達も自分と同じように考え生きていると思うようになる。
そこには誠実な交際はありえず、善意もなく、唯自分もそのように利用されて捨てられるかもしれないという不安と猜疑心だけが残ることになるのである。