[PR]

 中村修二さん(60)は、青色発光ダイオードの発明対価をめぐり、日本の産業界に一石を投じた先駆者だ。一審で200億円の支払いが認められた裁判は、会社の社員が生み出した「発明の対価」を広く考えるきっかけとなった。

 中村さんが発明時に勤めていた「日亜化学工業」を相手取り、提訴したのは2001年のこと。当時、発明特許は企業の財産というのが常識で、会社勤めの技術者が受け取る対価は数千円から数十万円程度。発明時に日亜が出した報賞金も2万円だった。

 サラリーマン技術者が「正当な報酬」を求めて裁判を起こすこと自体が驚きを持って受け止められ、企業活動の中での発明という成果の正当な配分のあり方が議論を呼んだ。中村さんの提訴後、億単位の発明対価を求める技術者が続き、企業の間でも報酬制度を見直す動きが広がった。