1. トップ
  2. 社会
  3. 鹿児島県議会の河野談話見直し意見書採択 自民県議「地方議会から大きなうね...

鹿児島県議会の河野談話見直し意見書採択 自民県議「地方議会から大きなうねりを」

2014.10.02 08:05 産経デジタル

 鹿児島県議会の自民党県議団が、慰安婦に関する「河野談話」見直しなどを政府に要求する意見書採択を目指す背景には、朝日新聞の長年にわたる虚報と、報道当時の自民党・宮沢喜一内閣による「事なかれ主義」が日本の国益を大きく損ねたことがある。

 「数多くの地方自治体が、近隣諸国との交易・交流に地道な努力を積み重ねている。その中で『朝日よ、邪魔をしないでくれ』といいたくなる。朝日新聞の慰安婦問題などの報道は日中・日韓関係や日本の安全保障の観点から、マイナスしか及ぼしてこなかったのではないか」

 自民党県議団の吉野正二郎県議は、9月22日の県議会一般質問で、朝日新聞を痛烈に批判した。

 朝日は昭和57年以降、山口県労務報国会下関支部の動員部長だったという故吉田清治氏の慰安婦の強制連行に関する証言を紙面で取り上げた。韓国メディアも報道するようになり、日韓の政治・外交問題に発展した。これに対して、平成5年8月、河野洋平官房長官(当時)が、慰安婦募集の強制性を認める「河野談話」を出した。

 朝日は今年8月、吉田証言など一部の誤報を認めたが、虚報の影響は地方、特に教育分野に及ぶ。

 平成7年度検定の中学校の歴史教科書に「慰安婦」「従軍慰安婦」の記述が一斉に登場した。義務教育段階で教えることの是非が議論となり、16年度の検定教科書以降は、中学校教科書での「慰安婦」「従軍慰安婦」の記述はすべてなくなった。

 しかし、高校「日本史A・B」では、4、5年度検定の教科書から慰安婦の記述が載るようになった。23冊中22冊が慰安婦を記載した。現在使用されている23、24年度検定教科書でも15冊中13冊に、「連行された」「強いられた」などと誤解を生む記述のある状態が続く。

 教育を担う地方自治体にとって、見過ごすことはできない。鹿児島県議会文教警察常任委員会は9月26日、鹿児島市の近現代史研究会から提出された陳情を、賛成多数で採択した。陳情では、県内公私立高校の日本史授業で慰安婦関連記述の早急な削除と、授業の是正を求めている。

 文教警察委員でもある吉野氏は「朝日新聞が吉田証言を嘘だと認めた以上、高校教科書の慰安婦強制連行に関する記述は是正されるべきであり、県教委も学校現場で慰安婦問題を誤認させるような教育がなされないよう指導すべきだ」と議論を総括した。

 また、地方議会にとって慰安婦問題は朝日新聞や政府を批判すればよいという問題でもない。平成21年9月の民主党政権誕生以降、左派系市民団体による働きかけが活発となり、少なくない地方議会が「日本は慰安婦に謝罪と賠償をすべきだ」という趣旨の意見書を採択したからだ。

 九州では福岡市議会が21年3月に、福岡県田川市議会が同年12月に、国家賠償などにつながる「誠実な対応」を政府に求める意見書を採択した。こうした意見書・陳情は、昨年6月末までに全国44議会で採択された。

 朝日の訂正後、9月9日にいち早く「適切な対応」を求める意見書を可決した大阪市議会も、実は22年10月には「誠実な対応」を求める趣旨の意見書を可決していた。大阪市議会事務局は「前の意見書を取り消したわけでなく、今の意見としては『適切な対応』を求めるということです」と歯切れが悪い。

 鹿児島県議会の意見書案は、3日に採択される見通し。今後、他の地方議会でも同様の意見書採択などの動きが広がる可能性がある。「地方議会の意見書は民意。声が集まり、大きなうねりになれば、やがて自民党本部も動かざるを得なくなる。必ず河野談話も撤回させられるだろう」

 吉野氏は期待を込めた。(谷田智恒)

トップへ戻る