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大谷能生×藤田貴大の脱力系対談 作品作りを変えた運命の出会い

インタビュー・テキスト:藤原ちから 撮影:永峰拓也(2014/10/06)

近年の日本演劇界で最も注目を集めている、マームとジプシーの主宰・藤田貴大。2012年、異ジャンルのアーティストたちとコラボレーションする『マームと誰かさん』シリーズを敢行したが、その第1弾が音楽家・批評家である大谷能生とのコラボだった。

あれから2年、満を持してリリースされたのが今回のアルバム『マームとジプシーと大谷能生』。メインボーカルは、今や小劇場界でカリスマ的人気を獲得しつつある女優・青柳いづみ。『マームと誰かさん』の上演時に限定200枚で販売されたミニアルバムに収められていた幻の4曲のほか、『あ、ストレンジャー』(原案:カミュ『異邦人』)にまつわる新曲を加え、木下美紗都の名曲『彼方からの手紙』のカバーも収録。さらには特典DVD『あ、ストレンジャー』が、9月29日から東京・東京芸術劇場プレイハウスで上演される『小指の思い出』とCINRA.STORE限定で発売されている。大谷能生の音楽論と藤田貴大の演劇論が熱く交わりながらも、まるで兄と弟のような始終和やかな雰囲気の対談をお楽しみあれ。

PROFILE

大谷能生(おおたに よしお)
1972年生まれの批評家、音楽家。著書に『大谷能生のフランス革命』『東京大学のアルバート・アイラー ―東大ジャズ講義録』シリーズ(菊地成孔との共著)『貧しい音楽』『持ってゆくうた 置いてゆくうた』など。その他、mas、sim、mjqtなどのバンドで活躍している。映画『乱暴と待機』では音楽を手がけており、「相対性理論と大谷能生」名義で主題歌も担当した。最新の著作は『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』。
大谷能生の朝顔観察日記 | Ootani Yosio's trumpet‐shaped diary


藤田貴大(ふじた たかひろ)
北海道出身。劇作家・演出家。マームとジプシー主宰。2011年6月~8月にかけて発表した三連作「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」で『第56回岸田國士戯曲賞』を26歳で受賞。今までに様々なジャンルの作家と共作を発表。2013年「てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。」で初の海外公演を成功させる。2014年9月『小指の思い出』で野田秀樹の戯曲を舞台化。
マームとジプシー

大谷さんの音楽って、酔いながら町をふらついているような風景がありませんか? そういう「男子」な部分に惹かれたのかもしれないですね。(藤田)

―『マームと誰かさん』の舞台から2年経って、今回改めてCDがリリースされたわけですが、そもそもなぜ二人はコラボレーションすることになったのでしょうか?

大谷:コラボレーションといっても、あのときはマームとジプシーの作品に俺がゲストで出るから、音楽も使ってくれ、という感じでした。あの時期、藤田くんは、いろいろな人とコラボレーションしたかったんだよね?

藤田:そうですね。そもそもは、2011年の4月に清澄白河のSNACで初演した『あ、ストレンジャー』を大谷さんが観に来てくれたのが初対面で、そのときに速攻で「一緒にやろうよ!」と言われたんです。もちろん大谷さんのことは知ってたけど、とはいえ「いきなりこの人何言い出すんだろう……」と驚きました(笑)。

藤田貴大
藤田貴大

―出会った瞬間にプロポーズされたようなものですね。

藤田:僕はまだ25歳だったし、誰かと一緒にやろうなんて全然思ってなかったんです。でもその年に『岸田國士戯曲賞』を獲ることになって、当時はそんなこと絶対認めたくなかったんだけど、この先どうしたらいいかちょっと途方に暮れたんですよね。それで誰かとコラボレーションしながら自分の言葉を見つめ直そうとして、『マームと誰かさん』シリーズを始めたんです。

大谷:藤田くんの置かれた状況も相当変わっていった時期だったよね。

藤田:めちゃくちゃでしたね。『マームと誰かさん』シリーズも大谷さんの後、飴屋法水さん、今日マチ子さんと続けて3か月連続でやったし、あの年は結局11本公演を打ったんです。もう忙しすぎて……。でも大谷さんとは比較的余裕を持って作れました。横浜の大谷さんの家に行って、立ち呑み屋でゆっくり話したりとか。大谷さんがメニューを読み上げてるから何かと思ったら「このメニューの文字も全部音楽になる」って(笑)。

大谷:(稽古場である)急な坂スタジオのキッチンで音源を収録したりもしたね。“くすりゆび”って曲のコーラスを録ったときにキッチンの物音が入っちゃったのが消えなくて、今回のCDにも入ったままになってます(笑)。しかし今思うと、あの頃の藤田くんはまだ余裕があったよねえ。

大谷能生
大谷能生

藤田:ほんと、あの頃は優雅な時間だったよ。

大谷:俺は今でもあんまり変わってないです(笑)。

―いや、大谷さんも多忙を極めていると思うんですけども(笑)。しかし良いタイミングで出会った、というのはあったのかもしれませんね。

藤田:ちょうど岸田賞を獲ってすぐに京都でやった『LEM-on/RE:mum-ON!!』が終わった直後で、原案の梶井基次郎の本と、その頃読んでいた大谷さんの本がリンクしていたような感覚もあったのかもしれない。それに大谷さんの音楽って、酔いながら町をふらついているような風景がありませんか? 大谷さんのそういう部分に惹かれていたのかもしれません。


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