フェロニッケルスラグ投棄反対訴える宮崎県日向市の主婦に対し製鉄所が訴訟


宮崎県日向市の主婦が自宅の目の前にフェロニッケルスラグが投棄され続けていて困っているので、投棄をやめるよう訴えていたところ、排出している製鉄所に訴訟を起こされた。製鉄所は「安全な物。無害。」と説明しているという。


-訴えられた女性の主張-

くろき「子供が非常に困っています、これが上から降ってきて咳が止まらず、非常に困っています。なぜ、山に捨てているのを認めているのか理由を聞かせて下さい。」

経済産業省 「少しお待ちください、山に・・? どういう事でしょうか。」

わたしたちは、宮崎県日向市の西川内地区で(株)日向製錬所の排出しているフェロニッケルスラグが何十万トンと山に積まれて、非常に困っている事を伝えました。

(株)日向製錬所は、西川内地区住民説明会で 「国も認めた安全な物です。無害です。」と説明しましたが、住民の質問で 「十年先、二十年先か分かりませんが、万が一これから害が出た時、誰が責任を取るのですか?」 という質問に対して、物を出している(株)日向製錬所、物を運搬、施工している(有)サンアイという会社、行政の日向市役所側は、黙ったままで、誰一人責任を取るとは答えませんでした。

物を出している(株)日向製錬所が 「国も認めた安全な物」と言いながら、責任が取れないとしている事に納得いきません。責任が取れない理由を聞くと、はっきりしてもらえず、国が認めているからの一点張りです。
国のどこの機関が認めているのかを聞きましたら、国だと言います。国にもいろんな管轄があるので、どこですか?と聞いても、はっきり答えませんでした。

物を出している会社が、責任が取れないようなものを、国が認めていると言っていますが、意味が分かりません。

西川内地区住民説明会で、(株)日向製錬所の「GREENSAND」というパンフレットをもらったのですが、そこに記載されてある内容を見て、「経済産業省」と「環境省」を訪ねてみる事にしました。

くろき「これは人体に対して無害という事はいえるのでしょうか?」

経済産業省「このパンフに載っているグリーンサンド(フェロニッケルスラグ)はJISマークの認証を取っている物です。 JISマークというのは規格を満たしているかという事になりますので、JISマークがついているから人体に対して無害である、とは言い切れません。」

くろき「無害と言い切れないなら、なんで山に積んでいいと認めたのですか?」

経済産業省「JISマークを取得したこの製品は、コンクリート用として認められています。 山に捨てたり、それの埋め土材に使ったりというものではないです。山に積んでいいと認めてません。」

くろき「コンクリートに使ってないです、山にじゃんじゃん積んでます、いくらいっても知らぬふりして、ダンプで持って来てはひっくり返してます。 これが降ってきて咳が止まりません、子供が非常に困っています」

経済産業省「・・・。」

経済産業省の職員の方は、これが山に積まれているという事に驚いている様子でした。 このフェロニッケルスラグが積まれる周りには人が住んでいます。風が強い日はこのゴミが降ってきて咳が止まりません。夏の暑い日ともなれば、吐き気の上がるような異様な臭いがします。宮崎県に、何度も相談に行くのですが取り合ってもらえません。宮崎県は、山に捨てているスラグを「商品だ」と言います。山に捨ててるこれのどこが商品なのでしょうか。

経済産業省「JISマーク製品というのは、ちゃんと管理してあります。これは(山に捨ててるフェロニッケルスラグ)本当にJISマークなんですかねぇ・・」

くろき「調べて下さい。このゴミで非常に困っています。 目を離したすきに、子供が山に行って遊んだり、これをつかんだりして、口の中に入れた場合、これは大丈夫なのですか?」

(株)日向製錬所のフェロニッケルスラグゴミの山の沈殿池の水質検査では、環境基準値の鉛210倍、ヒ素50倍、フッ素20倍、総水銀15倍、カドミウム3倍、セレン3倍検出されています。 その後に行われた日向市役所、宮崎県の行政側がした水質検査では、無害とでてます。 同じ場所で採水して、同じ検査機関に提出したものです。

経済産業省「うちは調査はしてません。 あくまでもコンクリートに使うものとしてなので。」
経済産業省ではフェロニッケルスラグが無害であるという安全性は認めていません。
(株)日向製錬所は、無害でないから責任が取れない、という事だったのでしょうか。 責任の取れないようなゴミを、何十万トンと山に捨ててもらうのは非常に困ります。子供がいるので困ります。
くろき むつこ,2014-04-30