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人質ファイルを取り戻す新機能を搭載した「カスペルスキー」2015年版
ウェブカメラのぞき見を防止する機能も
(2014/10/6 19:54)
株式会社カスペルスキーは、個人向け総合セキュリティソフトの最新版「カスペルスキー 2015 マルチプラットフォーム セキュリティ」を10月9日に発売する。多様化するネットの危険に対応するため、ウェブカメラののぞき見を防止する機能や、身代金要求型ウイルス(ランサムウェア)によって人質にとられたファイルを復元できる機能を新たに搭載した。
同製品には、Windows 8.1/8/7/Vista/XPに対応する「カスペルスキー インターネット セキュリティ」、OS X 10.6〜10.9に対応する「カスペルスキー インターネット セキュリティ for Mac」、Android 2.3〜4.4に対応する「カスペルスキー インターネット セキュリティ for Android」という3つのアプリが含まれ、ライセンス台数の範囲内で好きなOSのデバイスにインストールして使用できる。
価格は、パッケージ版が1年1台4860円〜3年5台1万2960円、ダウンロード版が1年1台3980円〜3年5台1万1800円。また、ダウンロード版のみとなるが、家庭内で台数無制限で使用できるプレミアライセンスも、1年6980円、2年1万800円、3年1万3800円で販売する(価格はすべてカスペルスキー・オンラインショップでの税込販売価格)。
今回発表された2015年版製品では、Windows向けのカスペルスキー インターネット セキュリティにおいて、新機能の追加や機能の強化を行った。
まず、PCに付いているウェブカメラを悪用した私生活の盗み見やプライベート画像の流出が問題になっているとして、ウェブカメラのぞき見防止機能を追加した。何らかのプログラムがウェブカメラにアクセスするのを検知すると、ポップアップウィンドウでユーザーに通知。ワンクリックでこれをブロックできるようになっており、遠隔操作でウェブカメラが悪用されるのを防ぐ。
そして機能強化の目玉は、PC内のあらゆるプログラムの動作を監視・記録し、マルウェアによって行われたシステムの変更を復元する機能「システムウォッチャー」の強化が挙げられる。システムウォッチャーでは従来より、マルウェアによって改ざんされたレジストリやシステムファイルを復元する機能を備えていたが、今回、ランサムウェアに対処する復元機能も搭載した。
ランサムウェアとは、PC内のドキュメントファイルなどを勝手に暗号化して開けないようにした上で、返して欲しければ身代金を支払えと要求してくる類のマルウェアだ。ただし、身代金を支払っても元のファイルを返してくれるとは限らず、さらに別のマルウェアが来た例も確認されているという。今年に入って、日本語で脅迫する亜種も初めて確認されている。
セキュリティソフトでは通常、こうしたマルウェア自体を駆除することは可能だが、暗号化されてしまった後のファイルを復号することができないという限界があった。カスペルスキーは今回の2015年版製品において、こうした暗号化されてしまったファイルも復元できる機能を追加した。
万一、未知のランサムウェアがPCに侵入して実行されてしまった場合、不審なプログラムがユーザーのファイルにアクセスしようとしているのをシステムウォッチャーが検知すると、そのファイルの保護されたバックアップコピーを即座に作成。その後、そのプログラムがユーザーファイルを暗号化するなどしてマルウェアと判定された場合は、そのプログラムが含まれるファイルを駆除するとともに、暗号化されたユーザーファイルをバックアップコピーで置き換えるという流れだ。
なお、人質ファイルを取り戻してくれるといっても、上記のようにバックアップから復元する仕組みである点に留意する必要がある。暗号化されたファイルそのものを復合化できる機能ではないため、暗号化されてしまった後にカスペルスキーを導入しても機能しない。
ランサムウェアとしては、ファイルを人質にするタイプのほか、PCのデスクトップ画面をロックして操作できないようにするタイプもあるが、これについてはすでに、ロックされた画面を特定のキーボード操作で解放できる「不正ロック対策」機能を提供している。
このほかの新機能としては「無線LAN安全診断」がある。公衆無線LANなどを使用する際に暗号化の強度を診断し、セキュリティ上の問題がある場合には警告メッセージを表示する。また、無線LAN使用中、パスワードを暗号化せずに送信していないかのチェックも行う。
ネット決済専用の保護機能では、クリップボード内の不正取得を防止する機能を追加。パスワードをコピー&ぺーストする際に入力内容を盗まれるのを防ぐという。また、不正サイト対策では、既知のフィッシングサイトの検知・ブロックに加え、未知のフィッシングサイトをコンテンツベースで検知する機能を追加した。200以上の基準・指標により、サイトの内容からフィッシングサイトかどうか判定する仕組みだ。
なお、Mac向けアプリではウイルス対策や不正サイト対策、個人情報保護機能、保護者機能などを搭載するが、現時点で提供されるのは2014年版と同じバージョンで、新機能の追加や機能強化などはない。ただし、今後、OS X Yosemiteに対応する予定があり、2015年1月に最新バージョンにアップデートする予定だ。
また、モバイル向けのウイルス対策や不正サイト対策、個人情報保護のほか、迷惑メール・SMS対策、紛失・盗難対策の機能を搭載するAndoridアプリも現時点では従来バージョンの提供となるが、逐次アップデートしていくかたちとなっており、ライセンス期間中であれば無料でアップデートできる。
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