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【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】
濡れ衣払拭 個人の挑戦
ではなぜ、韓国政府は韓国当局が100万人もの女性が売春に身を落としていると発表した自国の現実を正そうとしないのか、なぜ、気の毒な女性たちに救いの手を差しのべないのか。谷山氏のこの問いかけに、私は同感である。
もうひとつ、私たちが改めてしっかりと見据えるべきことは慰安婦問題をはじめとする歴史問題がおよそいつも日本人によって提起されている点である。どれも火元は日本であり、朝日はそのすべてに関わっている。
挺身隊と慰安婦を同一の存在として報じた植村隆元記者、南京事件を捏造(ねつぞう)報道した本多勝一氏らの説明責任とともに、一連の問題に日本はなぜ筋立てて反論できなかったのかが、私たちが自問すべき最重要の点であろう。
谷山氏はドキュメンタリーの最後で、日本にいわれなき非難を浴びせる韓国やアメリカにすさまじい憤りを爆発させている。その憤りこそ、大半の日本国民が、実は国内に向けて抱いている思いであることを、私は実感している。
政権与党も外務省も含めて私たちの国は、一体どこで、なぜ、何を、間違えたのか。その失敗を認識して、初めて、有効な反撃作戦が可能になると思う。