バンド結成25周年を迎えたthe pillowsが、昨日10月4日に東京・TOKYO DOME CITY HALLにてライブイベント「the pillows 25th Anniversary NEVER ENDING STORY "DON'T FORGET TODAY!"」を開催した。
定刻を少し過ぎた頃、客電が落ちるとまずは会場内のスクリーンにメンバーそれぞれの幼少期からの写真や、バンドの歴代アーティスト写真で構成された映像が映し出される。映像が終わるとメンバー3人とサポートの鈴木淳(B)がステージに登場。バンドは「スケアクロウ」からライブをスタートさせた。続く「Midnight Down」で山中さわお(Vo, G)がギターを弾きながら軽快なステップを踏んでみせると、オーディエンスは拳を突き上げて演奏を楽しんだ。最初のMCで山中は、9月16日にバンド結成から25年を迎えたことを踏まえ「『今朝、目を覚ましたら25年経ってました』とアニバーサリーの決めゼリフを言いたかったけど、今日は10月4日です」と、記念日から2週間以上経っていることを茶化すコメントでオーディエンスの笑いを誘う。また5年前に開催した20周年の武道館ライブを振り返り「あのときはうっかり世の中に感謝してしまった」と語るなど、奔放なMCを展開して観客を盛り上げていった。
ライブ中盤に差し掛かるとバンドは「サリバンになりたい」「日々のうた」「About A Rock'n'Roll Band」など新旧織り交ぜた楽曲を次々と投下。「Funny Bunny」では、山中がマイクを離れてオーディエンスにサビを託し、フロアを見渡して「ありがとう!」とオフマイクで叫ぶ一幕もあった。その後展開されたMCでは各メンバーがひと言ずつコメントを述べることに。サポートの鈴木は「ベースも弾いちゃうBUSTERSです」と自らもピロウズファンの一員であるとアピール。佐藤シンイチロウ(Dr)は、先日シンバルのメーカー・Zildjianとモニター契約を交わした旨をファンに報告し、「25年と2週間くらいバンドやってるとご褒美があるんです」とうれしそうに語る。真鍋吉明(G)は「人生半分ピロウズです。最後まで楽しんで」とコメントし、オーディエンスを沸かせた。その後彼らの代表曲の1つ「ストレンジカメレオン」の演奏が始まるとすぐさま歓声が上がり、オーディエンスは手を挙げたり、体を揺らしたりしてバンドの繰り出す音に身を委ねた。
山中はこれまでのバンドの活動を振り返り「オレたちは近道をしなかっただけだ。生まれ変わったとしても、同じ道を歩んでみせる。それが俺たちの25年間でした」と堂々と語った。ライブの終盤には「連れてってくれ!」という山中のシャウトから「この世の果てまで」を、「Can you feel?」の呼びかけから「ハイブリッド レインボウ」をプレイし、山中は熱を込めたボーカルを会場に響かせる。本編最後の曲「No substance」ではカラフルな照明がステージを照らす中、会場中のオーディエンスがジャンプを繰り返す。演奏が終わると山中は「サンキュー、BUSTERS!」とファンに感謝を述べステージをあとにした。
鳴りやまないアンコールに応えてバンドメンバーとともに登場した山中は、ギターのチューニングをしながら「25年経ってもチューニングは遅いよなあ」と自嘲気味に語り、演奏を開始。バンドは「ハッピー・バースデー」「LITTLE BUSTERS」の2曲をオーディエンスにプレゼントした。「とっても思い出に残る2014年になりました。ありがとう」と改めて観客への感謝の気持ちを言葉にし、オーディエンスはこの日一番の拍手と歓声をバンドに浴びせた。さらにダブルアンコールで登場したバンドはMCを挟まず「Ready Steady Go!」をプレイ。「ありがとう! 楽しかったよ」と満足気に語った山中がステージを離れると、会場のスクリーンには新曲「ムーンダスト」のビデオクリップが映し出される。興奮冷めやらぬ観客たちはPVの上映が終わっても退場せず、バンドに惜しみない拍手を送ると、それに応えるかのように三たびピロウズの面々がステージに姿を現す。山中は「もうクタクタだよ。40代、50代にトリプルアンコールはキツイでしょう」と話しながらも、ラストナンバー「Advice」で熱量の高いパフォーマンスを見せつけ、最後までファンを熱狂させた。最後に山中は「もう速やかに帰ってくれ」とファンに呼びかけながらも笑顔で「ありがとう」と繰り返し、大団円のままバンドの25周年ライブは幕を閉じた。