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記事

日本人にとって「朝日新聞」とは

もうここまで来ると「日本人にとって朝日新聞とは?」ということを真剣に考えなければならないのではないだろうか、と思う。一昨日から産経新聞が報じている「吉田調書」(聴取結果書)の真実は、多くの国民に衝撃を与えたのではないだろうか。
私は、産経新聞にコメントを求められ、吉田調書の全文を読んだ。そして、「朝日はなぜ事実を曲げてまで日本人を貶めたいのか」という文章を産経新聞に寄稿した。すると、朝日新聞から「名誉と信用を傷つけられた」として、抗議を受けている。
私は正直、そのことにも、呆れている。朝日新聞は5月20日付紙面で、「吉田調書入手」と銘打ち、「福島第一原発から職員の9割が所長命令に違反して撤退した」と、大キャンペーンを始めた。
その記事によって、世界のメディアが「日本人も原発の現場から所長命令に背いて逃げていた」「これは“第二のセウォル号事件”だ」と報じ、現場で命をかけて事故と闘った人々の名誉と信用は傷つけられた。
朝日新聞が報道機関として本当に「名誉と信用を傷つけられた」というのなら、紙面で堂々と反論すればいい。そして、命をかけた現場の人々の名誉と信用を自分たちが「傷つけていないこと」を、きちんと論評すればいいのである。
これまで何度も書いているので詳細は省くが、朝日が報じる2011年3月15日の朝、福島第一原発(1F)の免震重要棟には、総務、人事、広報など、事故に対応する「現場の人間」ではない“非戦闘員”も含む700名ほどの職員がいた。その中には、女性職員も少なくなかった。事態が悪化する中で、彼ら彼女らをどう1Fから退避させるか――吉田昌郎所長はそのことに頭を悩ませた。
700名もの人間がとる食事の量や、水も流れない中での排泄物の処理……等々、1Fで最も安全な免震重要棟はその時、とても多数の人間が居つづけられる状態ではなくなっていた。1Fのトップである吉田所長は、2F(福島第二原発)への退避について、2Fの増田尚宏所長と協議をおこない、その結果、2Fは、「体育館で受け入れること」を決めている。
そんな交渉を前日からおこない、その末に3月15日朝6時過ぎに、大きな衝撃音が響き、2号機の圧力抑制室(サプチャン)の圧力が「ゼロになった」のである。それは放射性物質大量放出の危機にほかならなかった。もはや、彼ら彼女らを免震重要棟に留まらせていることはできなかった。
「各班は、最少人数を残して退避!」と吉田所長は叫び、のちに“フクシマ・フィフティ”と呼ばれる人々(実際には69名)を除いて、吉田所長の“命令通り”職員は2Fに退避したのである。
こうして女性職員を含む多くの職員が、バスと自家用車を連ねて2Fへと一斉に移動した。しかし、これを朝日新聞は“所長命令に違反して撤退した”と書いたのである。
この場面は、私が吉田所長以下、90名近い現場の人たちに取材して書いた拙著『死の淵を見た男』のヤマ場でもある。私は、この事態になる直前、「一緒に死んでくれる人間の顔を思い浮かべていた」と、1Fに残ってもらう人間を“選別”する吉田所長の思いと姿を、当の吉田さん自身から詳細に聞いている。
私は、吉田さんの証言を聞きながら、「今の世にこれほど“生と死”をかけた壮絶な場面があるのか」と思い、そのシーンを忠実に描写させてもらった。
しかし、朝日新聞は、あの壮絶な場面を世界中のメディアが「所長命令に違反して現場から逃げ出した」と報じるようなシーンにしてしまったのである。
吉田調書には、吉田さんが「関係ない人間(門田注=その時、1Fに残っていた現場以外の多くの職員たち)は退避させますからということを言っただけです」「2Fまで退避させようとバスを手配したんです」「バスで退避させました。2Fの方に」とくり返し述べている場面が出てくる。
そして、「本当に感動したのは、みんな現場に行こうとするわけです」と、危機的な状況で現場に向かっていく職員たちを吉田氏が何度も褒めたたえる場面が出てくる。そこには、「自分の命令に違反して、部下たちは2Fに撤退した」などという証言は出てこない。
吉田調書とは、いかに事態を収束させようと、現場で働く浜通りの人々、すなわち故郷、ひいては日本を救おうと頑張った人たちのようすが「よくわかる内容」だったのである。それは、私が予想した通りのものだった。
私は、「日本人にとって“朝日新聞”とは何だろう?」と、しみじみ考えている。従軍慰安婦の強制連行問題でも、朝日新聞は「私は済州島で慰安婦狩りをした」と言う自称・山口県労務報国会下関支部動員部長の吉田清治氏の話を流布しつづけた。

32年間もその報道を訂正しなかった朝日新聞が、さる8月5日、この一連の記事を突然、撤回したのは周知の通りだ。しかし、世界中で「性奴隷(sex slaves)を弄んだ日本人」と喧伝され、日韓関係も完全に「破壊」された今となっては、その撤回も虚しい。
朝日新聞とは、日本人にとって何なのだろうか。今、そのことを多くの国民が「わがこと」として考える必要があると、日本人の一人として心から思う。
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門田隆将
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