ロシア:「大統領、訪日延期」…日本の制裁受け
毎日新聞 2014年09月11日 23時17分(最終更新 09月11日 23時29分)
【モスクワ田中洋之、高山祐】ロシアのアファナシエフ駐日大使は11日付の政府系紙「ロシア新聞」のインタビューで、プーチン大統領の今秋の訪日について、ウクライナ危機で日本が発動した対露制裁を理由に「計画が狂った」と述べ、延期の可能性に言及した。プーチン氏は10日深夜(日本時間11日未明)、森喜朗元首相との会談で日露間の対話継続に意欲を示しており、安倍政権は米欧との協調を図りつつ、時期を探ることになる。
大使は「訪日するかどうかを決めるのは大統領自身」としながらも、「首脳レベルの訪問にはしっかりした準備が必要だ」と指摘した。日露間では4月の外相会談と8月の外務次官級協議が相次いで中止になり、準備は進んでいない。
日露関係がぎくしゃくする中、森・プーチン会談で対話継続を確認できたことに日本政府は安堵(あんど)している。菅義偉官房長官は11日の記者会見で「訪日日程は現時点で決まっていない」と表明。日本側も大統領の訪日延期は織り込み済みだ。
もともと大統領側近は森氏との会談に消極的だったが、プーチン氏が「安倍晋三首相の考えを聞いてみたい」と決断した経緯がある。日本政府は次善の策として、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせた首脳会談を検討している。