英国:スコットランド独立に危機感 3党首が残留呼びかけ
毎日新聞 2014年09月10日 10時21分(最終更新 09月10日 12時59分)
【ロンドン坂井隆之】英国からの独立の是非を問うスコットランドの住民投票(18日投開票)を巡り、保守党のキャメロン首相と、自由民主党のクレッグ副首相、労働党のミリバンド党首は9日、住民に英国残留を呼びかける緊急の共同声明を発表した。3党首は10日の定例議会討論を急きょ中止し、スコットランドを訪問して独立を支持しないよう住民に訴える。
スコットランドは伝統的に労働党の支持層が多く、キャメロン首相は住民感情を刺激することを恐れ、現地入りを控えてきた。だが、英メディアが7日、最新の世論調査で独立賛成が51%に達し、初めて反対(49%)を上回ったと報道。
独立の現実味が急速に増していることから、急きょ現地入りを決めた。労働党も8日にスコットランド出身のブラウン元首相が現地入りして残留を呼びかけるなど、政界の動きが激しさを増している。
3党首は声明で「我々は多くの点で意見を異にするが『英国は一緒が良い』という点は情熱を持って一致する」と表明。「住民の意見を聞き、語り合いたい」と訴えた。
一方、スコットランド民族党のサモンド党首(自治政府首相)は「独立反対派は完全に混乱している。最も信用されていない政治家たちがスコットランドに集まれば、独立運動の勢いは一段と増すだろう」と皮肉った。